「火星からの隕石に、生命の痕跡が発見された。取材をする科学誌ライターの小日向のもとに、当該論文の偽装を告発するメールが届く。翌日研究室を訪ねた小日向は、こと切れた教授を発見。実験室には、方舟の形をした黒い物体が残されていた。物体を鑑定した科学警察研究所の女性研究者・佐相は、それが火星隕石であったことを証明する。真相の究明は、惑星科学者・百地に託された。天才惑星科学者が人類史を変える謎を解き明かす!」
この作者５冊目、
複雑な関係性の中で話が進むので、記憶力・集中力が劣化した身には時々読み返すので疲れたけれど、内容は興味深いし面白かった。
ＦＦＰ（捏造. (fabrication) 、改ざん(falsification)、および盗用(plagiarism)）の話がベースにあって・・、理化学研究所を大きく巻き込んだ「STAP細胞事件」を思い出しました。
（本書の発行は２０１３年６月、ＳＴＡＰ論文がＮａｔｕｒｅ誌に発表されたのが２０１４年１月・・、ただし、２０１１年２月博士論文提出、同年４月理化学研究所客員研究員、２０１３年３月研究ユニットリーダー・・、当時はこの他にも「捏造問題」が世間を賑わせていた時代でした。
今は、フェイクが普通の時代になってしまいましたが・・。）
文中からの引用、
「『真理はすべて三つの段階を経る。まず馬鹿にされ、次に激しく反対され、最後に当然のこととして認められる』――」ショウペンハウアー。
（21/05/03画像借りました。）
