経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

内と外の温度差

2007年05月11日 | Weblog
企業の不振は、多くの場合まず売れなくなる、という企業外の反応の変化に始まる。
これは換言すれば消費者が、その企業なりお店に背を向けたことに他ならない。では消費者をして、そうした反応、対応をなさしめた理由はなにか。

外の人間には、個々企業の内部は、実のところわからない。
だから消費者の判断材料としての、
1に、その企業との接点を通じ、垣間見えてくるものや体感したもの。
2に、その内部が流す、おそらくはその企業の都合の良いことを強調し、都合の悪いことを控えめに、といった加工情報、

大きくはこの2つの情報により判断しているとみてよい。
この2つをもってどう判断しているか。それは1と2の温度差の違い、この乖離である、と、私は考える。

 これは普段私たちが、あまりにも言行不一致の人に対して、「あの人はいうことと、やることにあまりにも差があり、信用でできない。不信感を覚える」といったことで、敬遠するのと同じこと。

 営業マンが売るときには、親切で良いこと言うが、後になると知らん顔。こうしたした実態が、最近の保険業界で発覚した。そうすると、国民は怒り、消費者としてそうした企業へこぞって背を向け始めるのは当然である。
 まさに言行不一致による不信感が、その企業、その業界だけではなく、消費全体への停滞感、不振感を招くのである。

 こうしたことから、消費者の期待を高めることが中心であったことが企業のPRである、としたら、そのことにより現実との乖離がさらに開き、そのことで消費者の不信を招く恐れを、十分頭に入れなければ、逆効果になることを著している。

 言葉を換えて言うなら、期待を高めて、それを裏切って、期待はずれをさせたら、その落差の分、消費者の怒りは大きいと考えなければならない、ということである。
では、どうしたらいいのか。

 その前に、念押ししておきたいことがある。「期待を裏切る」ことには、内容として2つある。消費者にとって良い方」と「悪い方」。さらに、2つある。高い方へ裏切るか、低い方へ裏切るか。この2つである。これをマトリックスで表現すればわかりやすくなろう。

 ○消費者にとって良いことを、その期待していることより高い方に3倍ぐらい裏切ればどう だろう。諸費者は、大感激して興奮するだろう。その感動を人に話すかも知れない。

 ○消費者にとって良いことを、その期待していることより低い方に3倍ぐらい裏切ればどう だろう。諸費者は、がっかりして、自分の選択を悲しむだろう。それは、その企業への怒 りになるかも知れない。

 ○消費者にとって都合の悪いことを、その想像している程度より高い方に3倍ぐらい裏切れ ばどうだろう。諸費者は、大いに怒り、興奮するだろう。その怒りを人にぶっつけるかも 知れない。

 ○消費者にとって都合の悪いことを、その想像している程度より低い方に3倍ぐらい裏切れ ばどうだろう。諸費者は、大いにその企業を見直し、自分の思いこみを見直してくれるか もしれない。その感想を、「おもったより、よかったよ」と人に言うかも知れない。

 以上、合点されたら、これからの自分の企業なりお店のPR、販促、イベントのやり方が、具体的に見えてくるはずである。