赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

森川成美・新刊『はなの街オペラ』

2021-05-09 09:29:35 | その他

森川成美さんの新刊、『はなの街オペラ』を読みました。!

大正時代の浅草オペラの話。森川さんのオペラ愛、炸裂の力作です。はなのういういしさ、当時の浅草の風景、オペラの歌詞、たのしめる場面が満載。なにより、森川さんの描写力がすばらしく、はなの世界にまきこまれて楽しめます。

ざっとネットで感想を見ていたら、朝ドラにしてほしい!という声が多数。

それはわたしもうなずくところ。

大河ドラマ、「いだてん」の大正時代の場面を思いだしました。あのときは、杉咲花がいい演技をしていたっけ。

それに、貧しい家の出で、奉公してがんばるすがたは、今の朝ドラ、「おちょやん」も思いうかべます。

この作品の中心になっているところは、音楽の力。

どんなときでも、音楽は聴いている人の心を軽くしてくれたり、楽にしてくれたり、よりそってくれますよね。そういうところをうまく描いています。わたしはオペラではないけど、劇団四季のキャッツで、「メモリー」を聞いたあと、ぼうっといい気分になったのを思いだして、読みながら、合間にYOU TUBEで聞いたりしました。ほんと、音楽のよさがつたわってくる作品でした。

それに大正時代、浅草でオペラがはやっていたなんて、わたしは知らなかったので、知らない世界をのぞきこむのも楽しかった。ただ、どこまで実在の人物なのか、モデルがいたのかいないのか、まったくわからないので、解説ででもいいので、書いてくれたらうれしかったかな。

最後に、装丁がまた、いいですよね。章ごとに、その章の世界観をあらわした挿絵がはいっているのだけど、それが素敵。坂本ヒメミさん、ぴったりだと思いました。編集さん、がんばったなー。とはいえ、いいさし絵がつくのは、物語の力だけど。

 

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