・・・続き・・・
「声をかけても動かないし、何かおかしい」
私は、直ちに救急車を呼ぶことを伝えて、とりあえずかけつけた。すでに救急隊員が到着しており、隊員から「すでに亡くなっていた」と報告された。死後数時間もたっていたため警察を呼び、救急車は帰っていった。
「突然死」
たった二日間の出会いであった。まさに「一期一会」であった。Tさんの人生最後の話をじっくりと聞いたのが私であった。どのような人生であったのか。思いを馳せざるをえない。とても他人事とは思えない。火葬場で、下宿の女将さんと私の二人で骨を拾った。市役所で調べてもらうと、大阪に親戚がいることがわかった。
「ホームレス」。この言葉の裏には、「絆」が断ち切られ、あまりにも多くの失われたものがある。一人ひとり、かけがえのない人生なのに個人の努力ではどうしようもないところに追い込まれている。一人ひとり、要因はさまざまであるが、共通していることは、規制緩和による非正規雇用の増大、格差拡大による低賃金化、いわゆるワーキングプアが重い影を落としている。
これは政治による数々の法改正によって生まれ、はじかれた人々である。国会では自・公・民など、相も変わらず「規制緩和」の大合唱を唄い、「岩盤規制をドリルで破壊」などと勇ましい言葉も飛び交っている。「自由」という名のもとに強いものが生き残る。こんなやさしくない社会がますます広がっている。上からの「絆」と「和」というかけ声のもとに・・・
*二つのケースは実例にもとづくものであるが、いくつかの相談事例を組み合わせ、プライバシーに配慮しました。
*バイスティックの7原則: ケースワーク業務の基本のひとつ。相談活動に関わる人たちの入門でもある。
--------- 終わり -------------------------
70年代の石油ショックや90年代のバブル崩壊でも、2008年のリーマンショックによる「ハケン村」騒動にはならなかった。違いは、「規制緩和」による派遣労働の常態化、そして製造業が多数の派遣労働で維持されるようになってからである。当時は「ワンコールハケン」など、携帯で今日1日の仕事を指図す形態までうまれてしまった。使用者側は1日限りの「使い捨て」なので、非人間的な過酷な労働がまん延していった。
国会で「規制緩和」を進めてきた自・公・民に反省はみられない。
国会で悪法が次から次へと成立させられ、その実施は北海道、市町村へと降りてくる。地方議会は、賛成多数でそれを追認する。これが自民党のよくいう「中央との太いパイプ」の姿である。
日本共産党は、自治体を住民生活の「防波堤」として、がっぷり四つに取り組んでいる。
これに対して必ず「なんでも反対の共産党」と攻撃してくる。
事実はまったく逆である。共産党議員団は首長の提案する予算や条例の90~100%は賛成しているのが実態である。それよりも「何でも賛成」の方が怖い。
今月からオープンした釧路市の市役所防災庁舎の建設には共産党議員団は賛成をした。31億円の庁舎であるが5億円の負担で完成したからである。通常の庁舎建設には補助金はなく、全額市民負担というケースが多いため、市民負担をさせないため、さまざまな提案を行い、反対することも多い。
議会は、さまざまな市民の声を代弁する議論の場である。
国会で指定管理者制度が可決され、いまや本来の自治体業務が、安上がりの「民間委託」として、多くのワーキングプアを生み出してきた。いわゆる官制ワーキングプアである。こうした立場の若い人は、重要な仕事をしているにもかかわらず、生活の将来性は見えない。地方議会として、その問題点を指摘し反対を貫いてきたのが共産党議員団であった。
釧路でも行われた「事業仕分け」で、関係団体から「給料を上げてほしい、このままでは人材が育たない」という悲鳴があげられた。
いままた、介護保険では、今年度の制度改正により、同じ轍を踏もうとしている。
さらに安倍首相による「残業代ゼロ」、「生涯ハケン」という派遣法の大改悪が強行されようとしている。
追記
Sさんから党事務所にSOSの電話が来たが、後日「どうして共産党に電話をかけたの?」と聞いた。そうすると、最後に泊まった旅館の女将さんから、「あんた本当に困ったら、ごまかされたと思っても、共産党に電話してごらん」と言われたとのこと。女将さんから「あぶない」と思われたのだろう。
こうしたケースがけっこうある、というのが今の世の中の実態でもある。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます