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えん罪はこうして起きる

2024-05-07 07:04:41 | 日記

連休中に柚月裕子著「検察の本懐」を読んだ。

五話の短編を扱った検察のお話だ。
「罪を押す」は、先入観をもった捜査でえん罪をつくる寸前に、主人公の佐方貞人検事が真実をつきとめた。
先入観を持つと「真実」が見えなくなる典型例であった。

「拳を握る」は、政界の大汚職事件の特捜部でのお話だ。
成果を上げるため、あらかじめ作った「筋書」で参考人をおとす、まさに「いじめ」に近いものである。
ここでも佐方貞人検事は、厳しい態度で接するが、人間味ある配慮で参考人の心を動かす。
そして「筋書」でない「その他」から解決へ。

これまた、えん罪はこうして作られるという寸前に真実に行き着いた。
検察内部における「出世」もかいま見える展開だ。
「拳を握る」の意味が最後にわかる。

検察や警察の「出世」をめぐるえん罪の典型例が現実に起きた。それが「大川原化工機事件」だ。
これは長期拘留で命をおとしている。もともと事件でないものを無理やり事件にしてしまったえん罪事件だ。

「袴田事件」も検察のプライド以外なにものでもない。
いたずらに引き伸ばしている。

柚月裕子著の佐方貞人検事シリーズは、あくまでも物語だが、現実には多くのえん罪が生まれている。

検察官のバッジ「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」に、繰り返し立ち返るべきではないか。

表題にある「検事の本懐」は最後の5話だが、主人公は週刊誌記者。これまた「真実」にたどりつく。
「本懐」の意味が最後にわかる。
同時に、全編に「本懐」が通底しているのでは。


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