歴史的にみると領土、国境は物理的に明確だ。
科学技術が発展し、宇宙空間の人工衛星や宇宙船となると国境はない。代わりに衛星などの所有物を領土の延長にするしかない。
さらにネット・サイバー空間となると、国境概念はもっとやっかいだ。
それどころか、個人、企業・団体、国家が隣にいるような状況だ。
米のNSAにいたスノーデン氏は、海底ケーブルから情報を盗んでいたと述べている。それも最近は暗号化が進んで解明しにくくなっていると。
だから「マルウェア」を送り込むことが主流になっていると。
プラス、昔ながらのソーシャルエンジニアも大きな力を発揮している。
個人のスマホから人工衛星、電波などあらゆるものを盗聴していたNSA、
その長官のナカソネ氏が、再びニュースを賑わしている。
「中国軍、日本の最高機密網に侵入」
ワシントンポスト紙が、日本の防衛機密が中国によって侵入されていたと報じた。
ということは、日本政府の、防衛省のサーバーがアメリカによって監視されていたということではないか。
ま、こういうニュースは「マユツバ」で見る必要がある。
どんな「ファクト」であろうと情報戦とみたほうがよい。
特にNSA長官の発言だ。
サイバー空間に国境はないから、あなたの隣にNSAが、中国が、いるかもしれない。
コンピューターに侵入し仕事を終えたら、その痕跡を消し去る。アンチフォレンジックも進化している。
また乗っ取られた「ゾンビPC」も無数にある。
ダークウェブのTOR(トーア)は、発信元を隠すものだ。
いまだに破られたというニュースは聞かない。
昔、プロキシサーバーをいくつも経由する「多段串」を自慢していた人たちもいた。
ゾンビを使い、多段串、TORなどを経由すると、どこの国からかわからなくなる。
米国は「ハントフォワード作戦」を行っているが、その成果はわからない。
NSAが中国を、中国がNSAを偽装しているかもしれない。
ネットニュースは本当に注意しないと、国家のプロパガンダに簡単に影響を受けてしまう。
だからこそ平和な環境を、平和の外交努力がいまこそ求められる時代はないであろうか。
麻生元首相のように、米・日・台が「中国と戦う」などと平然と主張するような時代錯誤の政治家はごめんだ。