帆立岩から次に上がった磯はハナグリ島「古賀瀬」初日の深夜に上がった「古賀横」の
さらに水道よりの磯だ。
「夕方までちょっと寝ときよー」船長の言葉にしばしの昼寝タイムかと思われたが、またしても巨グレの影
発見、巨グレハンターの虫は竿を振る手を止めてはくれないようだ。
水道をざわめかせながら数千尾の湧きグレが沖を通過する壮観な景色を眺めながら・・・
この時点で児島はすでに30時間近く竿を出し続けていた。
食事とコーヒータイム以外はほとんど休息を取っていない、取材だからというのではなくいつもこの調子だ
という、男女群島は彼に限りないエネルギーを注入し続けてくれるかの様に見えた。
最終日の夜がやってきた、巨グレを求め、三度「名無し」の磯へ上がる。
船の離礁際に船長が声を掛ける「60センチおーばーを釣ったら児島瀬の名付けたるわ」
4回目の夜は最も静かな海況の中で幕は開けた。
巨グレは姿を見せなかった、2匹の尾長の先行隊だけが児島の竿を曲げた、
「昼 マキエ打ってなかったからなー」
ただ1度、エサトリが消える空白の時間があった。
密かに巨グレは通り過ぎていったのかもしれない・・・