ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.2.4 立春・・・14年生存率100%!

2019-02-04 20:37:59 | 日記

 立春の日はこの題名で書き続けている。昨年は13年生存率100%、一昨年は12年生存率100%・・・と。
 初発手術から数えて、今日で丸14年が経過した。他の部位のがんは5年間無事に過ごすことが出来ればひとまず卒業のお墨付きが出るものだが、こと乳がんという病は何とかの深情けよろしく、その期間が倍の10年間である。それまで何もなく過ごすことが出来れば、ようやく“乳がん体験者、サバイバー”となれるわけだ。

 けれど、毎年書いているように、現実は3年経たずして両肺、鎖骨・胸骨、縦隔リンパ節等に多発転移判明となった。卒業どころか、化学療法主体の本格的かつエンドレスな治療が始まり、生涯卒業からは見放された永久患者となってしまった。
 そして11年が経った。もちろんこの場では書き尽くせないこと、数え切れないことがあった。辛かったこと、悔しかったこと、情けなかったこと、切なかったこと、やるせなかったこと・・・。
 それでもこうして今日まで生かされてきた。あれこれ悩んで立ち止まり、その都度落ち込んできたけれど、瞑想ヨーガとの出逢いでここ数年は、当初に比べて心穏やかに過ごすことが出来ている。改めて感謝したい。

 何度もしつこく書いているが、再発治療が始まってすぐの頃は、10年以上先の事などを想像することは出来なかったし、してはいけないことだと思っていた。当時、10年生存率は5%。せめてその半分の5年は生きていたい・・・、けれど息子の成人式を見るのは厳しいだろうし、高校の卒業式に出席することも保証の限りではない、と覚悟した。

 その息子、先日無事23歳の誕生日を迎えた。4月からの新生活に備えて引越し準備に奮闘しているのは昨日までの記事のとおり。これでひとまず自立生活をスタートさせてくれる予定である。再発当初のように、私には遺された時間が少ない、息子がせめて何歳になるまでは、いついつの行事を終えるまでは、という身を切られるような息苦しくなるような切迫感は大分薄らいできている。

 20歳を超えた一人の成人男性。これからは親がかりではなく自分で切り拓いていくべきだ、と思うし、そう宣言した(でも、だからと言って急に手を退かれては困る、と先日クギを差された・・・結局いくつになっても親業には終わりがなさそうである。一体いつまで・・・)。

 こうして今日まで命を繋げることが出来たこと、それを絶妙な距離感で寄り添いながら支えてくれた方たち、さらには今まで通り働き続けたいという私の贅沢な希望を受け容れ、叶えてくださった職場の方たち、全ての方たちと私を取り巻くあらゆる環境に感謝してもし過ぎることはない。素直に頭(こうべ)を垂れている。

 一昨年は、2年近くお世話になったカドサイラの薬剤変更。1月末からジェムザールにチェンジした。その途端、初回で早くも好中球ダウン。いきなり休薬し、減薬と休薬を繰り返しながらなんとか1年間凌いできた。そして、去年は年が明けると共に5年前に10日でギブアップしたゼローダに再び登場頂いて、ハーセプチンとの併用を開始。今度こそと頑張ってみたものの、やはり13日半でドクターストップがかかった。休薬後1週間の下痢や手足症候群の酷かったことは思い出したくない。パイオニア的飲み方で10ヶ月近く粘ったけれど、副作用の割には薬の奏功があまり見込めず、11月からは身体を休めるべくアリミデックスを飲んでいる。3ヵ月が経過したところだ。けれど、痛みや空咳等の症状も目立ってきた。そろそろ今のままで凌ぐには厳しくなってきたということだろう。
  
 それでも年末年始は親子3世代で、温泉と都内のホテルのニューイヤーズプランの旅に出かけたし、年が明けてからは結婚29周年記念で伊豆にも出かけた。月末には患者会ASHAREさんの瞑想ヨーガクラスで講師2年目のクラスを担当した。そして昨日、息子の引越し準備前半戦を終えて帰京したばかりだ。
 相変わらずあれこれトライできるものにはトライしている。好きなことをしている間は再発患者であることを忘れる。還暦にも大分近づいてきた今もなお、まだまだやってみたいと思うことがあることが本当に有難い。これぞ私が生きていく原動力ではないかと思う。

 明日から乳がん15年生。そして再発12年生。また気持ちも新たに新しい1年を歩き始めよう。これからも頑張りすぎずに頑張って細く長くしぶとく歩いていこう。

 今日は、週の初めにしては大分疲れた身体を引きずって通常通り出勤した。職場ではインフルエンザが猛威を奮っている。手洗いうがいを励行してなんとか感染しないようにしなくては。免疫が下がらないように10年近く毎日飲み続けているヨーグルトドリンクも欠かせない。
 
 立春に相応しく春のように暖かかった今日。
 限られた日々を私らしく精一杯大切に送りたい、と改めて強く思う夜である。
コメント
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