ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.5.5 祈りそして希望 ピアノチャリティコンサート

2011-05-05 22:30:50 | 日記
 5月5日、こどもの日。昔から晴れの特異日であったはずだが、今日は曇天の肌寒い一日。
 夫は息子に、こどもの日のプレゼントとして、東京ドームの野球観戦チケットを手に入れてきていたが、息子は夫と行かずに友人と行く約束してきてしまった。夫にはちょっと可哀そうな気もするが、こうして親より友人と過ごす時間が増えていくのは当然のことなのだろう、と思う。

 さて、私は大学時代の友人から先月お誘いがあったコンサートに出かけた。
 友人の20年来の友人であるピアニストが、東日本大震災復興支援のチャリティコンサートを企画し、友人が朗読のお手伝いをする、とのことだった。コンサートの収益金を被災地に義援金として寄付したい、という趣旨に賛同した。そしてせっかくの機会なので、私一人よりも・・・ということで共通の友人を誘ったところ、4人そろって一緒に聴くことが出来た。お誘いした3人と私は、最近も何度かお会いしていたのだが、うち2人は、お互いに私の結婚式以来会っていなかった、ということで期せずして20年以上ぶりの再会をセッティングしたことになった。

 朗読を担当した友人は元ラジオ局のアナウンサー。彼女は私の結婚披露宴の時に司会をお願いした方だ。当時、夫側からも友人数名が意気込んで司会を引き受けてくれたが、そこはプロだった彼女、すっかり夫の友人は食われてしまった・・・という逸話がある。
 友人はその頃、ちょうど出産してまだ3か月も経っていなかったのだが、その時に生まれたお嬢さんが今日は受付をされており、ママそっくり。20年の歳月をしみじみと思った。

 コンサートはキリスト教会の礼拝堂で。クラシックのCD録音にも利用される、音響的にも評価の高い空間とのことだった。第1部はモーツァルトとショパンのピアノ曲。そして第2部は朗読とピアノで「2011年・春 ここにある想い」という即興演奏と7つの詩の朗読、続いてピアノとチェロによるデュオで4曲が演奏され、最後の曲は教会での演奏らしくバッハのアリオーソだった。

 即興のピアノ曲とともに朗読されたのは立原道造の「夢見たものは」、水城雄の「祈る人」、サン=テグジュペリ「人間の土地」の後、高村光太郎、宮澤賢治、中原中也と続き、ラストはロバート・ブラウニングの「春の朝(あした)」の7編だった。それぞれ強いメッセージが伝わってきて、変わらぬ友人の声に聴き入った。

 アンコールは、3.11の時にすし詰めの夜中の地下鉄で聞いた発車音をイメージした即興曲から始まって、「ふるさと」に転じて終わるもので、これをどうしても弾きたかった・・・というピアニストの思いのこもったものだった。

 お開き後、友人には挨拶だけして、会場を後にし、4人でお茶をしてから帰宅した。
 それぞれが大学生、高校生、中学生の母となり、それぞれが子育ての苦労や親との確執などこの年になって・・・という話が尽きなかった。

 すっかり夜遅い帰宅となり、正直疲れたが、行ってよかった、と思う。
 帰宅してすぐに息子から連絡があった。試合が終わって、最寄駅まで戻ってきて友人と食事中とのこと。応援したチームは負けたようだったが、すっかり楽しんだようだ。明日のテストもしっかりやってくれるとよいが・・・。

 息子にとって良いこどもの日であり、私にとっても旧友との再会が果たせ、被災地に再び思いを馳せることのできた充実した休日だった。が、夫は一人、夕食の支度もしてもらえずに不完全燃焼だったかもしれない。



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