昨夜、ブログを書き終えた後にあけぼの会のホームページを見ると、Tさんの治療日記が更新されていた。
ここのところ、マーカーが上がったり・・・、と書いておられたので案じていた。卵巣転移が判明したとのことだった。腫瘍の部位から大腸へ浸潤しては大変だし、ふつう(転移の場合には)手術はしないけれど、切除すれば病理診断もつくし、と主治医から手術を薦められたとのこと。10月9日にはあけぼの会全国大会があるし・・・、と逡巡されていた。
読んだ後、いてもたってもいられなくなり、メールした。
Tさんは私の希望の星である。もちろん全国あけぼの会数千人の会員の皆さんにとってもまさしく再発治療患者の希望の星だろうと私は思っている。
44歳で初発、その2年後に肺転移。ホルモン剤治療の後、4年にわたりウイークリー・タキソールの治療を続け、今は経口抗がん剤の服用を続けておられる。昨春息子さんが結婚され、年明けにはお孫さんも生まれ、嬉しそうに携帯待ち受けの写真を見せてくださったのも記憶に新しい。私より6歳お姉さんだけれど、もっとずっと年上のような貫禄。なんでもどんと来い、といった風情だ。それでも、患者としては大体同い年で初発、同い年で肺転移、ということで治療日記はいつも欠かさず読んできた。
そもそも、昨年私があけぼの会デビューした「初夏のお集まり」でコンタクトを取ったのが初めての出会い。お集まりに出席希望、とメール連絡したけれど参加OKの返事が来なかったので心配になり、行っても大丈夫ですか、と確認メールをした。普通こんなメールは出さないけれど、と返事をくださった。「申し込めば大丈夫なのよ、あけぼの会は誰にでも『だめです』なんて言わないの、どうぞおいでください。」と。
ちょうどその日もショッキングピンクのTシャツ姿で受付をしていらしたので、ご挨拶した。私はまだ、職場復帰して1カ月半ほど。爪のダメージから手袋もしていた。治療終了後、都心に出かけたのは初めてだった。会長さんがロンドンに行っておられたところで、Tさんが司会進行をなさった。とてもボーイッシュでサバサバしていらして、(本当に再発治療中の患者さんなの?)と思うほど。いつも前向きでエネルギッシュで・・・どんな治療もする覚悟はできている、と言い切られる。弱虫の私は、人はこんなにも頑張れるのだ、と元気をもらうばかりだった。
そして、「HPに治療日記を書いてみない?」と連絡をくださったのもTさん。会長さんからの「自分でブログを書きなさい。」というお話を仲介してくださったのもTさん。これまでは一人で作っていらした「乳がんディクショナリー」のお手伝いをさせて頂くことになり、その後もやりとりをしていた。
それにしても、この病気はなんて意地悪なのだろう、と改めて思う。何年も何年も私たちの自由を奪う。息を潜めながら、ひたひたと体の中で生き続け、暴走のタイミングを伺っている感じ。私は初発からあと少しで3年、というところで両肺多発転移、縦隔リンパ節転移、胸骨・鎖骨転移、といきなりトリプルパンチの再発・転移が分かったので、なんだかわけもわからずいっしょくたの感じでドタバタと治療を続けているけれど、2年半が過ぎ、今ではホルモン剤も使い尽くし、エンドレスの抗がん剤治療に入ったところだ。あと転移するとしたら脳と肝臓だけだなあ、とぼんやりと思っている。
ふと、私は初発の時にはER、PgRとも陽性だったけれど、再発後のフェマーラやアロマシンやヒスロンHの効き方を思うと、再発してがんの性格が変わったのでは、と不安になることもある。けれど、肺を切って調べるわけにもいかないから、これまでの治療が正しいものだ、と信じて続けるほかない。
どこか一部分の臓器に再発・転移が分かり、その後長いこときちんと治療を続けていながらも、数年後にまた別の臓器に転移が分かった時の気持ちは、治療を続けている同じ再発患者として、想像にあまりある。
そして、「完治は難しいから手術はしない」というのが再発治療の基本であるにもかかわらず、手術を薦められた、という事実。体にメスを入れる、ということ、特に開腹手術は想像するよりずっとダメージが大きい。
私も再発する前の年の4月に、ノルバデックスの副作用から卵巣のう腫と子宮筋腫の摘出手術をしたが、入院は2週間でも退院後、自宅で最低3週間は絶対安静といわれ、療養した経験がある。
「泣いてもしようがないですけれど、やっぱり涙が出ますね」というTさんのお返事メールに、言葉を失う。
それでもTさんは必ずや前向きに治療をなさる、ということを信じているので、心配はしすぎない。とにかくワーカホリックな方なので、くれぐれも頑張りすぎず、ご自愛のうえ、治療がうまくいくことを陰ながら祈りたい。
Tさん、ファイトです!
今日は昨日の荒天とは打って変わって秋晴れの一日。からりとしてとても爽やかだった。明日からは3連休。白血球のことを考えると遠出なり人ごみに出ていくなどの無理はできないが、のんびりゆったり好きなことをして過ごしたい、と思う。それが何より免疫力アップにつながるのだから・・・。
奇しくも、帰宅するとあけぼの会からの臨時ニュースが届いていた。そして秋の大会のプログラムも。
今年のテーマは「がんのあと潔く生きる」。背筋がすっと伸びるような素敵なテーマだ。潔く生きたい、と改めて思う。
ここのところ、マーカーが上がったり・・・、と書いておられたので案じていた。卵巣転移が判明したとのことだった。腫瘍の部位から大腸へ浸潤しては大変だし、ふつう(転移の場合には)手術はしないけれど、切除すれば病理診断もつくし、と主治医から手術を薦められたとのこと。10月9日にはあけぼの会全国大会があるし・・・、と逡巡されていた。
読んだ後、いてもたってもいられなくなり、メールした。
Tさんは私の希望の星である。もちろん全国あけぼの会数千人の会員の皆さんにとってもまさしく再発治療患者の希望の星だろうと私は思っている。
44歳で初発、その2年後に肺転移。ホルモン剤治療の後、4年にわたりウイークリー・タキソールの治療を続け、今は経口抗がん剤の服用を続けておられる。昨春息子さんが結婚され、年明けにはお孫さんも生まれ、嬉しそうに携帯待ち受けの写真を見せてくださったのも記憶に新しい。私より6歳お姉さんだけれど、もっとずっと年上のような貫禄。なんでもどんと来い、といった風情だ。それでも、患者としては大体同い年で初発、同い年で肺転移、ということで治療日記はいつも欠かさず読んできた。
そもそも、昨年私があけぼの会デビューした「初夏のお集まり」でコンタクトを取ったのが初めての出会い。お集まりに出席希望、とメール連絡したけれど参加OKの返事が来なかったので心配になり、行っても大丈夫ですか、と確認メールをした。普通こんなメールは出さないけれど、と返事をくださった。「申し込めば大丈夫なのよ、あけぼの会は誰にでも『だめです』なんて言わないの、どうぞおいでください。」と。
ちょうどその日もショッキングピンクのTシャツ姿で受付をしていらしたので、ご挨拶した。私はまだ、職場復帰して1カ月半ほど。爪のダメージから手袋もしていた。治療終了後、都心に出かけたのは初めてだった。会長さんがロンドンに行っておられたところで、Tさんが司会進行をなさった。とてもボーイッシュでサバサバしていらして、(本当に再発治療中の患者さんなの?)と思うほど。いつも前向きでエネルギッシュで・・・どんな治療もする覚悟はできている、と言い切られる。弱虫の私は、人はこんなにも頑張れるのだ、と元気をもらうばかりだった。
そして、「HPに治療日記を書いてみない?」と連絡をくださったのもTさん。会長さんからの「自分でブログを書きなさい。」というお話を仲介してくださったのもTさん。これまでは一人で作っていらした「乳がんディクショナリー」のお手伝いをさせて頂くことになり、その後もやりとりをしていた。
それにしても、この病気はなんて意地悪なのだろう、と改めて思う。何年も何年も私たちの自由を奪う。息を潜めながら、ひたひたと体の中で生き続け、暴走のタイミングを伺っている感じ。私は初発からあと少しで3年、というところで両肺多発転移、縦隔リンパ節転移、胸骨・鎖骨転移、といきなりトリプルパンチの再発・転移が分かったので、なんだかわけもわからずいっしょくたの感じでドタバタと治療を続けているけれど、2年半が過ぎ、今ではホルモン剤も使い尽くし、エンドレスの抗がん剤治療に入ったところだ。あと転移するとしたら脳と肝臓だけだなあ、とぼんやりと思っている。
ふと、私は初発の時にはER、PgRとも陽性だったけれど、再発後のフェマーラやアロマシンやヒスロンHの効き方を思うと、再発してがんの性格が変わったのでは、と不安になることもある。けれど、肺を切って調べるわけにもいかないから、これまでの治療が正しいものだ、と信じて続けるほかない。
どこか一部分の臓器に再発・転移が分かり、その後長いこときちんと治療を続けていながらも、数年後にまた別の臓器に転移が分かった時の気持ちは、治療を続けている同じ再発患者として、想像にあまりある。
そして、「完治は難しいから手術はしない」というのが再発治療の基本であるにもかかわらず、手術を薦められた、という事実。体にメスを入れる、ということ、特に開腹手術は想像するよりずっとダメージが大きい。
私も再発する前の年の4月に、ノルバデックスの副作用から卵巣のう腫と子宮筋腫の摘出手術をしたが、入院は2週間でも退院後、自宅で最低3週間は絶対安静といわれ、療養した経験がある。
「泣いてもしようがないですけれど、やっぱり涙が出ますね」というTさんのお返事メールに、言葉を失う。
それでもTさんは必ずや前向きに治療をなさる、ということを信じているので、心配はしすぎない。とにかくワーカホリックな方なので、くれぐれも頑張りすぎず、ご自愛のうえ、治療がうまくいくことを陰ながら祈りたい。
Tさん、ファイトです!
今日は昨日の荒天とは打って変わって秋晴れの一日。からりとしてとても爽やかだった。明日からは3連休。白血球のことを考えると遠出なり人ごみに出ていくなどの無理はできないが、のんびりゆったり好きなことをして過ごしたい、と思う。それが何より免疫力アップにつながるのだから・・・。
奇しくも、帰宅するとあけぼの会からの臨時ニュースが届いていた。そして秋の大会のプログラムも。
今年のテーマは「がんのあと潔く生きる」。背筋がすっと伸びるような素敵なテーマだ。潔く生きたい、と改めて思う。