ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.9.4 道端でドッキリ

2010-09-04 06:32:41 | 日記
 朝、通勤途中の道端で、私の中指くらいの体長の緑鮮やかなオオカマキリと遭遇した。カマを振り上げれば、手の長さほどもあるのではないか、という大きなもの。威嚇されてはあまり気持ちのよいものではないので、そーっと、声を殺して静かに離れてよけて歩いた。

 それにしても緑が沢山の遊歩道を歩いて出勤出来る私は本当に幸せ者だ。毎朝、何かしらの遭遇がある。あまりの暑さで土の中からうっかり出てきてしまい、(こ、こんなはずじゃなかった!)とアスファルトの上で七転八倒しているミミズたちもしかり。大学内でもマムシだの狸だのとばったり!ということがあるようだ。

 カマキリと言えば、息子は小学生の頃、昆虫大好き少年だった。「ムシキング」というカードゲームの影響もあり(いったい日本全国のゲームセンターにいくら寄付したことかしれない。その絵をペイントしたジャンボジェットに乗って限定カードをゲットしたいがために、用もないのに家族そろって鹿児島まで遠征したこともあった。そのジェット機は鹿児島と札幌と福岡しか就航していなかった。札幌と福岡には行ったことがあるので、では、鹿児島へ、ということになったのだった。家族そろって酔狂で、物見遊山も甚だしい。)
 近くの森でカブトムシやらクワガタやらを捕まえてきては手のり(?!)にして育てていた。トムソーヤクラブのキャンプで捕まえてきた見た目がちょうど甘栗のようなカブトムシは「レッド」という名前だったっけ。「ヒメコ」と名付けられた小さなコクワガタは夏を超えて、かなりの長命だった。(幼虫から育てたカブトムシにいたっては、せっかく無事に成虫になったと思ったら、餌をちゃんともらえずに干乾びて絶命した赤ちゃんが沢山いた。今もベランダに当時のプラスチックボックスが空のまま並べられている。胸が痛んでいるのは私だけのようだが。合掌・・・)

 「ママ、カマキリって凄いよね。交尾した後、メスはオスを食べちゃうんだよ。そのあと赤ちゃんを産んだら自分も死んじゃうんだよ。ママ、ちょっと考えてごらんよ、ママが僕を産むためにパパを食べちゃうんだよ。そのあと僕を産んだら、ママは死んじゃうんだよ!」と、鼻息も荒くお得意な顔をして教えてくれた。一体どういう反応をすればいいのだ。人前で大きな声で「コービ、コービ」と叫んでいる息子・・・。
 それにしても、壮絶な人生、いやカマキリ生ではある。

 そして、もう一つカマキリといえば、高校時代3年間担任して頂いた英語の先生のあだ名であった。確か先生は母と同い年だったと記憶している。
 教科書とは全く別の手作りのプリント(別名:カマキリプリント)での読解の授業は、それはそれは予習が大変で、(1ページで一体何回辞書をひいたかわからないくらい・・・)厳しくて有名だったけれど、私は好きだった。本当に鍛えて頂いた、と思う。今では情けないことにとても読めそうにないが・・・。

 先生がその復刻版を作成中ということで、先般購入希望者を募っていらしたので、私も懐かしさからエントリーしたところ、まもなく第1号(厚さにして3センチほどあったろうか)が送られてきた。その後、大分時間が空いている。眼を悪くされていると伺った。どうなさっているだろうか、心配なことだ。

 それにしても本当に生き物たちは命がけで出産することを実感する。そしてどれほど医学が進歩しようとも、人の女性もやはり、命がけで出産するのだ。それなのに、なぜこんなに虐待や子殺しが後を絶たないのだろう。

 自らの命をかけて産んだ自分の命を引き継ぐものだ。未来を担う大切な子供たち。65年間も戦争のない国に生まれてきた子供たちが、なぜ、親の手によって傷つけられ、死んでいかなければならないのだろう。

 大好きなお母さんにお得意にムシの話をするでもいい、どんなことでもいいから、どうか一人でも多くの子供たちの笑顔がこれからも見られますように、と願わざるを得ない。
コメント
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