ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.3.27 第30回あけぼのハウス講演会参加

2011-03-27 22:46:31 | あけぼの会

 今日は、あけぼのハウスで昨年4月にもお話を伺ったことのある大西秀樹先生(埼玉医科大学国際医療センター・精神腫瘍科教授)による「治療のために必要な心のケア」の講演会に参加してきた。

 直前まで体調があまり思わしくなかったので、今回は見送ろうか・・・と思っていた。が、プチ虹のサロンの二人のSさんと、Kさんも参加されるという連絡が金曜日にあり、お会いできるなら・・・と、遅ればせながら締切ぎりぎりに申し込んだ。
 テーマからいえば、今、聞いておいた方がよい、と思ったのだ。「地震後、ずっと心が痛み続けています。お話を伺うことで、少しでも前向きになれればと思います。」とメールで申し込みした後、会長さんから直々にメールも頂き、とてもありがたかった。「Let’s support each other!」というメッセージだった。

 会場に行く前に2人のSさんとランチをしながら、先月お会いしてからの近況報告等=自分のことも地震のことも=をした。あらためて、ああ、私は地震後のこの半月、ずーっと皆と話したいと思っていたんだと実感した。
 地震後で参加者は少ないのかも・・・、と思ったけれど、とんでもない。先月と同じくらいたくさんの会員の方たちがお見えになっていた。顔見知りのレギュラーメンバーも数多くいらしていた。

 講演は「がん」という言葉の意味するもの=医療関係者とすれば「進歩」だが、患者は「死」を思う=、患者は治療をする中で多様なストレスに晒されるため、100人の患者がいれば50人に精神科の診断がつくというところから始まった。
 誰でも悪い知らせがあれば不安やうつ状態になるけれど、その長さと深さが問題である。正常反応であれば2週間経たずとも消えるが、2週間続けば適応障害、さらに長くなればうつ病となることを、グラフを用いて説明された。うつ病の身体症状が出ているのに化学療法の副作用と間違えることがある。体がだるい、食欲がない、考えがまとまらない、めまい等の身体症状は心の問題の可能性があることを疑う必要がある。がん医療ではうつ病の見落としがある。心と体はつながっている、ということをお話しされた。

 そして大切なことは、悩みを打ち明けることのできる家族や友人の存在である、という。このことは本当に日々実感していることだ。
 一つ驚いたのは、副作用の吐き気を止める薬(ノバミン)が5人に1人の割合でアカシジア(静坐不能症)を引き起こす、ということだった。下肢のムズムズ感、イライラ感等は薬をやめないと治らないという。これにより不眠となるのは本当に辛いようだ。実際に自分が試しに飲んで、一晩中階段昇降を続けたドクターがいらしたとのこと。とてもびっくりした。副作用止めで新たな別の副作用が出るのは本当に辛いことだ。

 家族のケアについては、家族は第二の患者であることを強調された。100人のがん患者の家族がいれば30人に精神科の診断がつくとのこと。ストレスは患者と同じか、家族の方が多いくらいだという。家族に患者がいるということは、肉体的には健康であっても精神的には相当な負担を背負うことなのだ。だからこそ、家族はもちろん医療や社会的な仕組みを通して、皆で協力しないと乗り切れない、ということだろう。

 その後、大西先生と外来で集団精神療法を行い、心理士として働いているという石田さんからお話があった。一番怖いのは決めつけてしまうこと=たとえばもう自分はダメだ等=、とお話を開始された。人それぞれに、これまでの人生で身につけた考え方のクセがある。たとえば、犬の散歩を頼まれたと仮定したときに、「犬がかわいい」と考えていれば、散歩は「ワクワクすること」で「喜んでやること」だが、「犬が怖い」と考えていれば、散歩は「憂鬱」で「どうしよう、無理・・・」という反応になる。
 また、「友人のしが新聞に掲載された」という文章で、「し」の部分は「死」「詩」「師」「志」「滋(賀)」等思いつく字が数多くあるが、最初に思いついたものは1つでも(それがたとえ「死」であっても)、もう少し広くよく考える、思い込まずに他にもあるのでは、と思うことが大切である。
 悩みは深く果てしないかもしれないが、困っていることが漠然としているのか、あるいは具体的にはどういうことか、漠然としたものであってもそれを突き詰めて、不安という大きな石を砕いて小さくしていくことが大切である。
 小さい不安の塊の中には、実はすでに解決しているもの、考えても仕方ないもの等が集まっていることがあり、小さくしてしまえば、それを持ってでも前に進めることに気づく。これを問題解決療法という。できることを探し、できていることに気づくことが大切、と言うお話には素直に頷いた。

 もちろん先が見えないという今後の不安は、私たち再発患者にとってとても大きな不安であるけれど、こうして講演会に出かけることが出来ている、ということはとてもありがたいことだ、と改めて思う。

 講演後、「冷静に考えれば、そうだよねと思えることも、いざ直面すると厳しい」という感想を事務局のTさんがおっしゃった。いつもの弾けるようなパワフルな笑顔がなく、お痩せになっておられ、会長さんもおっしゃっていたとおり、本当にとても心配だ。
 会長さんが最後の閉めで福島支部・いわき市から参加された方に桜の花をプレゼントされていた。一同拍手だった。乳がん患者会として今回の被災地の方たちには何もできないが、個人的にできることはしてほしい、会としては宮城、岩手、茨城県の会員あてにはがきを出そうかと思っている。年会費は自己申告で被災された、とすれば今年は無料である。これまでの阪神大震災、新潟地震の時もそうしてきた、とおっしゃった。

 講演が終わり、現場で合流したKさんと4人でお茶をして帰宅した。今回の地震後、心の痛みが体の痛みを引き起こしたのを実感した。本当に心と体はつながっているのだ。そして情けなくもずいぶん弱気になってしまった。けれどみなさんにお会いして本当に良かった、と心から思った。
 次回の再会を約束して別れた。

 帰路、今日1日の長時間の外出を快く送り出してくれた夫と息子に春物のトップスを贈り物に買い、最寄駅まで出迎えてもらい、また外食してしまった。
 日本の経済活性化のために、ちゃんと消費する、という理由をこじつけつつ。


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2011.2.27 あけぼのハウス講演会「再発転移治療について」参加

2011-02-27 20:24:30 | あけぼの会

 今日は久しぶりに「あけぼのハウス」の講演会に参加してきた。
早くも今回で28回目になるという。ほぼ毎週の開催だから、講師等との事前調整、会員への周知から当日の運営、報告までの一連の作業はどれだけ大変なことか。事務局の方々のご苦労に本当に頭が下がる。
 今日はお会いできるだろうか・・・と心配していた厳しい治療を再開されている事務局Tさんが、いつもながらパワフルに司会を勤められており、心底ほっとした。

 今年から毎月第4週は専門医の講演会ということになったようだ。
 今回は、昨年「患者が選ぶ2010 Doctor of the year」を受賞された坂東裕子先生(筑波大学付属病院)が講師。講演のテーマは「再発・転移治療について」だった。相談員スタッフによる個別相談・グループトークもあり、ということで、プチ虹のサロンのメンバーと待ち合わせ、早めにお昼をしてから会場へ向かった。

 今日はSさんが体調不良のため欠席との連絡が入り、4人でのランチだった。温泉旅行帰りのKさんから美味しいお土産を、また、昨年火事にあってご自宅の建替えのため前回新年会に出席できなかったSさんからは、これまでSさんが撮ってくださっていたスナップ写真を入れたアルバムを頂いた。これからもみんなの写真を増やしていきましょう、と。本当に嬉しいプレゼント、感謝でいっぱいだ。

 今日は、10月の全国大会以来のあけぼの会のイベントに参加したことになる。開会には会長さんが、年明けに亡くなったSさんを偲んだバラの花が1ヵ月半以上経た今もなお咲いており、しかも芽が出てきている様子を披露された。挿し木にされるとおっしゃっていた。Sさんのように大輪の豪華なバラの花だった。

 講師が若干遅れての到着ということで、がん研有明病院で治験コーディネーターをしておられる薬剤師さんから標準治療のガイドラインに向けてのアンケートが配布されたので、記入しながら待つ。講師到着後、1時半より少し前に講演が始まった。

 患者さんにとっては怖く悩み深い再発について、医師として何を大切に思って治療をするかというお話をしたい、と講演が始まった。
 まずは言葉の定義=再発、局所再発、遠隔転移=を明らかにされた。さらに再発が起こるグラフ等がパワーポイントの資料で分かり易く示された。アメリカのASCO(American Society of Clinical Oncology:米国臨床腫瘍学会)のガイドラインで推奨される検査、非推奨の検査等についても言及された。フォローアップについての大切な点、再発のためのセルフチェック(局所、リンパ節、肺、骨、肝臓)も今後役に立ちそうだった。再発後の生存率、再発治療の目標や再発治療の取り組み方等、チャートを使っての説明は改めてお話を聴くと、分かってはいることだが、頭の整理にとても役立った。
 そして、再発後の治療として、再発巣の病理学的評価が望ましいということについては、私もずっと気になっているところだけれど、切ることが出来ない場所なので、如何ともしがたいと思った。その後いくつかの症例が紹介され、ハーセプチン等がいかに奏功するか、今後期待されている薬など、希望のもてるお話が続いた。
 最後に再発治療において大切なのは「あなたの人生」と結ばれた。家族、仕事など、何が自分にとって大切かを明確にすることが必要なのだ、と改めて思う。

 その後、最初に提出した質問シートにより事務局Tさんから先生へ質問がされた。15問ほどの質問に対して、どれも鮮やかに分かり易くお答えになり、とても勉強になった。男がどう、女がどう、とあまり言うつもりはないけれど、さすがに女医さんで、とても穏やかに優しくお話され心から癒された感じだ。

 締めは会長さんからいくつかのお話。「知らないと怖い」ということを思い知らされるエピソードだった。治療については悩んで当然だけれど、何より自分の体だ。疑問はそのままにせず、きちんと相談し、きちんと対処していきたいと思う。
 幸せなことに私はこれまでの治療について、とても納得して行ってきているので、今のところ個別に質問することもなかった。が、いろいろな方のお話しを伺うことが出来、考えさせられることが多かった。

 個別の質問等がない人はこれでお開き、ということで流れ解散。4ヶ月ぶりのあけぼのハウス参加だったので、プチ虹のサロンのメンバーもいろいろな会員の方たちとそこかしこでお話。私も、年明けに亡くなったSさんと懇意にしていらしたEさんからお話を伺った。また、Oさんからはブログで紹介している本を読んでいるわ、と言って頂いた。そう言って頂けると、単純な私は本当に嬉しい。

 あっという間に予定終了時間の4時を回り、Kさんとターミナル駅までご一緒し、最寄り駅で買い物後、帰宅した。
 夫の得意料理の食材を用意して出かけたところ、帰宅するやいなや食事が出てきて、本当に有り難かった。夫の好きな桜餅をお土産に買って帰ったら、大喜びされた。

 講演会ダブルヘッダーの充実した週末だった。すっかり知恵熱が出そうなくらい。明日からまた新しい一週間が始まる。元気を頂いた分、頑張って過ごさなくては、と思う。


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2011.2.11 あけぼのニュース 2011・冬

2011-02-11 09:47:06 | あけぼの会
 先日、新年号のあけぼのニュースレターと追加の名簿が届いた。

 いつもながらピンクと黒の二色刷りで写真が満載。昨年10月の「秋の全国大会」とその後のピンクリボンパーティの写真や、会員からの年賀状。
 そして、ホームページをご覧にならない会員向けにこれからの予定、事務局Tさんの治療日記、最近の会長さんのエッセイ、事務局Sさんの可愛い四コマ漫画等など・・・。

 ホームページのエッセイ欄で「再発患者の治療日記(3)」を書かれ、昨年の大晦日に亡くなられた同い年のNさんの写真も数枚掲載されていた。

 最初のページの“<あけぼのハウス>で「再発体験記」文章教室開催”というものに目がとまった。
 「再発闘病中の会員さん、病歴をまとめてみませんか。自分の治療の経過をきっちり把握するのも一つの目的ですが、再発克服記を一冊の本にすることも可能です。体験を活字にすることで、病気を跳ね返す力にしてほしいものです。原則月一回第1日曜日で3月から計4回」。とあった。指導者の先生も既にお願いしているという。

 実は、私がこうしてブログを書き始めたのは、前にも書いたとおり「ホームページに、再発患者の治療日記を書いてみませんか。」とのお話があったのがきっかけだった。

 一昨年の7月、「初夏のお集まり」で会の行事デビューをし、初めて初対面の人たちの前で自分の病気について紹介した。発病以来4年以上が経過していたが、その日までごく一部の親しい人には話さざるを得なかったものの、多くの人の前で自分の病気のことを語ったことはなかった。

 けれど、その時に心底から思った。私は無理に気持ちを封印してきたけれど、本当は話したかったのだ、誰かに聞いてほしかったのだ、と。

 そう思った途端のTさんからのお誘いに乗って始めたのが、「再発患者の治療日記(4)」であり、一昨年10月からは、会のホームページから独立して、この「ロッキングチェアに揺られて」というブログを始めている。今年からはコメントも頂くようになり、会の会員の方以外の沢山の訪問者の方たちともやりとりが出来るようになっている。

 今は、自分の気持ちを言葉にすることの“癒しの力”に改めて驚いている。そして思い切って書き始めてみて本当に良かった、と心から思う。

 きっかけを作ってくださった会には日々、改めて感謝している。そして、是非、手記を書くことの沢山の効用・・・自分の気持ちを整理することが出来る、前向きに生きるようになれる・・・等々を一人でも多くの方に知って頂きたい、と思う。

 三連休初日。明け方はまだ降っていなかった雪だが、天気予報どおりにどんどん降り積もっている。早くも外の地面はうっすらと白くなってきた。最高気温は2度だそうだ。お友達と遊ぶ、といっていた息子も雪のためキャンセルだという。

 今日も、全国の受験生はこの悪天候にも負けずに試験に挑んでいるのだろう。一人でも多くの受験生に桜が咲きますように。

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2011.1.23 プチ虹のサロン 新年会

2011-01-23 20:40:53 | あけぼの会
 今日は楽しみにしていた“プチ虹のサロン”の新年会。遅い朝食後、張り切って出かけた。
 夫が、先日友人から沢山頂いた夏みかんを使ってマーマレードを作り、4つビンに入れて皆さんにお渡しできるように用意しておいてくれた。私にとって大切なメンバーにホームメイドのお土産が出来て、夫の気持ちがとても嬉しい。

 今日は、昨年火事にあわれたSさんがお家の打ち合わせのために残念ながら欠席。4人での開催となった。
 新年ということで和食の懐石料理。4人で広々とした掘りごたつの個室で十分リラックス。まずは乾杯して無事の再会を祝った。
 それでも、どうしても年末年始と続いた知人の訃報に話がいってしまう。
 ついていないことに到着してすぐに胸痛があり、いつも持っているロキソニンを飲もうとしたところ、バックを変えたため入れ忘れていた。座って食事をすれば治まるかと思っていたが、ダメだった。あわてたところ、Tさんがご自分で持っていらしたカロナールを分けてくださった。本当に助かった。感謝である。

 しっかりフルコースを満喫し、追加で御汁粉までオーダーして充実した食事だった。本音のお喋りも満載で、どうしてこんなに時間が進むのが早いのだろうと思うほど、4時間以上が経過していた。それぞれ年末年始の旅行の報告をしたり、薬の副作用の話、食べ物や投薬量についての意見交換など、4人よると文殊の知恵以上だ、と実に有り難く思う。そうこうしている間にラストオーダーからさらに1時間も居座ってしまった。
 次回の日程を決めて、名残惜しい中、解散。
 今日も素敵なマカロンのプレゼント、私の好きないわさきちひろさんのクリアファイルの頂き物つきでとても嬉しい会となった。近々「いわさきちひろ美術館」ツアーも実現しそうでとても楽しみだ。

 帰りにはターミナル駅の百貨店で開催中の駅弁フェアで、息子のリクエストのお弁当を買うために大混雑の催場であちこちに並ぶ。頂いた薬は飲んだものの、やはり胸痛が続いており、必死で買い求めた。
 帰宅後、私の帰りよりも駅弁を待ちわびた夫と息子に戦利品の4品(息子は2食分完食)を出し、賑やかな夕食となった。そしてデザートは頂いたマカロンで。

 今日は1冊読んだ。
 群ようこさんの「またたび読書録」(新潮文庫)。
「『そうだったのか』『そこまでやるか』。西原理恵子のマンガもブッダのことばも、群ようこが読むと発見と感動は倍増!捨てる名人、体型コンプレックスを消してくれる名人などなど事実より奇なる人々が登場し、『字の書き方』『ボタンの付け方』から『風邪の引き方』まで納得情報が満載。どの本も欲しくなる読書エッセイ」との裏表紙。またまた読まなくては、という本が出てきてしまった。それにしても本当に時間が足りないし、本を置くスペースもいよいよ足りない・・・。

 食事が終わってもまだ胸痛が治まらない。明日からに備えて今日は早めに入浴して休みたいと思う。
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2010.12.19 プチ虹・クリスマス会

2010-12-19 22:01:18 | あけぼの会
 今日は楽しみにしていたプチ虹のサロンのメンバーとのクリスマスお食事会。あいにくちょっぴり寒い日となったが、朝から掃除洗濯をパパパッと済ませ、心は弾んで現地へ出かけた。

 今日はホテルのフレンチ・レストランの個室をキープして2時間半もかけてフルコースを堪能した。
 ここは1年半以上前に、タキソテール終了記念と称して夫とお花見の時期に泊まったホテルだ。殆ど半年間、治療以外は外出しなかったので実に数ヶ月ぶりの都心へのお出かけだった。下肢の浮腫が酷く、まさに足首もなく象さんの足のよう。ぱんぱんに張って鋼鉄のようにピカピカに光り、履ける靴も1足しかなかった。その時は夕食をこのレストランでとったのだが、雰囲気はとても楽しめたけれど、食事自体はまだ味覚異常があり、ちょっと残念だったなあ、ということをつい昨日のことのように思い出した。
 個室は庭園に面していて、景色も楽しめた。普段だったら一人ではとても食べきれない量だったのに、楽しいお喋りで食が進み、気が付けばしっかり完食していた。
 食後、皆さんからサンタさんの素敵なレゼントが届いた。この年になるとなかなかクリスマス会でのプレゼント交換などしなくなってしまうけれど、やはり贈り物を頂き、紐解くのはとても嬉しい。暖かそうなルームシューズ、素敵な香りのシャワージェル、綺麗なお花の立体カレンダー・・・。皆さんに感謝だ。
 
 今回は、私は幸運にも休薬の週だった。メンバーもそれぞれのスケジュールで投薬中。それでもこうして体調を管理しながら無事全員が揃い、お互いを思いやりながら副作用の乗り切り方を披露しあい、これからも頑張ろうね、と支え合えることを本当に有り難く思う。そして、メンバー皆が、副作用をうまくコントロールしつつ、ちゃんと自分のやりたいこと、旅行等を計画し、実現させていることも天晴れだと思う。

 いつものとおり、気がつけばあっという間に4時間以上が過ぎた。
 ホテルの庭園はまだ紅葉の名残があり、紅葉の木の下で記念撮影。間抜けな幹事の私はカメラを持っていくのを忘れて大失態だった。
 次回の新年会日程を決め、名残惜しさいっぱいの中、どうぞ良いお年を、とお別れした。

 途中ターミナル駅で、そこまで同じ電車だったKさんとお別れし、自分だけ沢山のプレゼントを持っていることにちょっぴり居心地が悪くなり、急遽、夫と息子にクリスマスプレゼントのセーターを調達した。(ついでに自分のものもゲットしたが。)途中またも電車が遅れ、最寄り駅でご機嫌伺いのケーキを買って急ぎ足で帰宅した。
 有り難くもまたも夫が夕食の用意をしておいてくれた。昼に飽食したというのにしっかり頂いてしまい、胃がもたれており、ケーキは食べられないでいる。

 今日は1冊読んだ。
 11月に亡くなった佐野洋子さんの「役に立たない日々」(朝日文庫)。2003年秋から2008年冬までの日記風エッセイ。役に立たない日々という題名だけれど、解説の酒井順子さんが書かれているとおり、「本当に役立つ本とは、こういう本のことを言うのではないでしょうか。」に大きく頷く。「物忘れが烈しくなったり自己嫌悪に陥ったりガンになったりと佐野さんは全編にわたって心身の不調を訴えておられるのであり、いうなればものすごく後ろ向きなエッセイなのですが、読者はこの本を読んで暗い気持ちになるかといったらそうではなく・・・。生きるってこういうことだよなあと、私は思います。“生きていれば、死ぬのだ”ということを伝えてくれる本。」にとても同感である。そして今日も沢山のパワーをもらいながら、ああ、佐野さんの新しい本はもう読むことが出来ないのだ、という現実をまた思い知らされる。

 明日からはまた治療が始まる1週間だ。今年の治療納めは22日、仕事納めは例年通り28日。今日頂いた元気をもとに体調を整えて臨まなくては・・・。

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