ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.2.27 あけぼのハウス講演会「再発転移治療について」参加

2011-02-27 20:24:30 | あけぼの会

 今日は久しぶりに「あけぼのハウス」の講演会に参加してきた。
早くも今回で28回目になるという。ほぼ毎週の開催だから、講師等との事前調整、会員への周知から当日の運営、報告までの一連の作業はどれだけ大変なことか。事務局の方々のご苦労に本当に頭が下がる。
 今日はお会いできるだろうか・・・と心配していた厳しい治療を再開されている事務局Tさんが、いつもながらパワフルに司会を勤められており、心底ほっとした。

 今年から毎月第4週は専門医の講演会ということになったようだ。
 今回は、昨年「患者が選ぶ2010 Doctor of the year」を受賞された坂東裕子先生(筑波大学付属病院)が講師。講演のテーマは「再発・転移治療について」だった。相談員スタッフによる個別相談・グループトークもあり、ということで、プチ虹のサロンのメンバーと待ち合わせ、早めにお昼をしてから会場へ向かった。

 今日はSさんが体調不良のため欠席との連絡が入り、4人でのランチだった。温泉旅行帰りのKさんから美味しいお土産を、また、昨年火事にあってご自宅の建替えのため前回新年会に出席できなかったSさんからは、これまでSさんが撮ってくださっていたスナップ写真を入れたアルバムを頂いた。これからもみんなの写真を増やしていきましょう、と。本当に嬉しいプレゼント、感謝でいっぱいだ。

 今日は、10月の全国大会以来のあけぼの会のイベントに参加したことになる。開会には会長さんが、年明けに亡くなったSさんを偲んだバラの花が1ヵ月半以上経た今もなお咲いており、しかも芽が出てきている様子を披露された。挿し木にされるとおっしゃっていた。Sさんのように大輪の豪華なバラの花だった。

 講師が若干遅れての到着ということで、がん研有明病院で治験コーディネーターをしておられる薬剤師さんから標準治療のガイドラインに向けてのアンケートが配布されたので、記入しながら待つ。講師到着後、1時半より少し前に講演が始まった。

 患者さんにとっては怖く悩み深い再発について、医師として何を大切に思って治療をするかというお話をしたい、と講演が始まった。
 まずは言葉の定義=再発、局所再発、遠隔転移=を明らかにされた。さらに再発が起こるグラフ等がパワーポイントの資料で分かり易く示された。アメリカのASCO(American Society of Clinical Oncology:米国臨床腫瘍学会)のガイドラインで推奨される検査、非推奨の検査等についても言及された。フォローアップについての大切な点、再発のためのセルフチェック(局所、リンパ節、肺、骨、肝臓)も今後役に立ちそうだった。再発後の生存率、再発治療の目標や再発治療の取り組み方等、チャートを使っての説明は改めてお話を聴くと、分かってはいることだが、頭の整理にとても役立った。
 そして、再発後の治療として、再発巣の病理学的評価が望ましいということについては、私もずっと気になっているところだけれど、切ることが出来ない場所なので、如何ともしがたいと思った。その後いくつかの症例が紹介され、ハーセプチン等がいかに奏功するか、今後期待されている薬など、希望のもてるお話が続いた。
 最後に再発治療において大切なのは「あなたの人生」と結ばれた。家族、仕事など、何が自分にとって大切かを明確にすることが必要なのだ、と改めて思う。

 その後、最初に提出した質問シートにより事務局Tさんから先生へ質問がされた。15問ほどの質問に対して、どれも鮮やかに分かり易くお答えになり、とても勉強になった。男がどう、女がどう、とあまり言うつもりはないけれど、さすがに女医さんで、とても穏やかに優しくお話され心から癒された感じだ。

 締めは会長さんからいくつかのお話。「知らないと怖い」ということを思い知らされるエピソードだった。治療については悩んで当然だけれど、何より自分の体だ。疑問はそのままにせず、きちんと相談し、きちんと対処していきたいと思う。
 幸せなことに私はこれまでの治療について、とても納得して行ってきているので、今のところ個別に質問することもなかった。が、いろいろな方のお話しを伺うことが出来、考えさせられることが多かった。

 個別の質問等がない人はこれでお開き、ということで流れ解散。4ヶ月ぶりのあけぼのハウス参加だったので、プチ虹のサロンのメンバーもいろいろな会員の方たちとそこかしこでお話。私も、年明けに亡くなったSさんと懇意にしていらしたEさんからお話を伺った。また、Oさんからはブログで紹介している本を読んでいるわ、と言って頂いた。そう言って頂けると、単純な私は本当に嬉しい。

 あっという間に予定終了時間の4時を回り、Kさんとターミナル駅までご一緒し、最寄り駅で買い物後、帰宅した。
 夫の得意料理の食材を用意して出かけたところ、帰宅するやいなや食事が出てきて、本当に有り難かった。夫の好きな桜餅をお土産に買って帰ったら、大喜びされた。

 講演会ダブルヘッダーの充実した週末だった。すっかり知恵熱が出そうなくらい。明日からまた新しい一週間が始まる。元気を頂いた分、頑張って過ごさなくては、と思う。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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希望 (Jun)
2011-02-28 14:14:38
専門家の希望のもてる話は嬉しいですね。
私のブログに詳しく書いてしまいましたが、
http://blog.goo.ne.jp/junron0405
乳がんが遠隔再発した70歳の友人が、
「医療は日進月歩だと信じている。だから
前向きでいられるのだ」と、昨日言って
くれました。希望が生きる力になります。
返信する
本当に・・・ (ロッキンギチェア)
2011-02-28 21:21:44
Junさん、
お書きになっていらっしゃるブログは前に教えて頂いたので、拝読しています。
希望はおっしゃるとおり生きる力になりますね。
それでも70歳の転移と40代の転移はやはり受け止め方が大分違うのではないか、と思いますがいかがでしょうか。
返信する

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