ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.12.19 プチ虹・クリスマス会

2010-12-19 22:01:18 | あけぼの会
 今日は楽しみにしていたプチ虹のサロンのメンバーとのクリスマスお食事会。あいにくちょっぴり寒い日となったが、朝から掃除洗濯をパパパッと済ませ、心は弾んで現地へ出かけた。

 今日はホテルのフレンチ・レストランの個室をキープして2時間半もかけてフルコースを堪能した。
 ここは1年半以上前に、タキソテール終了記念と称して夫とお花見の時期に泊まったホテルだ。殆ど半年間、治療以外は外出しなかったので実に数ヶ月ぶりの都心へのお出かけだった。下肢の浮腫が酷く、まさに足首もなく象さんの足のよう。ぱんぱんに張って鋼鉄のようにピカピカに光り、履ける靴も1足しかなかった。その時は夕食をこのレストランでとったのだが、雰囲気はとても楽しめたけれど、食事自体はまだ味覚異常があり、ちょっと残念だったなあ、ということをつい昨日のことのように思い出した。
 個室は庭園に面していて、景色も楽しめた。普段だったら一人ではとても食べきれない量だったのに、楽しいお喋りで食が進み、気が付けばしっかり完食していた。
 食後、皆さんからサンタさんの素敵なレゼントが届いた。この年になるとなかなかクリスマス会でのプレゼント交換などしなくなってしまうけれど、やはり贈り物を頂き、紐解くのはとても嬉しい。暖かそうなルームシューズ、素敵な香りのシャワージェル、綺麗なお花の立体カレンダー・・・。皆さんに感謝だ。
 
 今回は、私は幸運にも休薬の週だった。メンバーもそれぞれのスケジュールで投薬中。それでもこうして体調を管理しながら無事全員が揃い、お互いを思いやりながら副作用の乗り切り方を披露しあい、これからも頑張ろうね、と支え合えることを本当に有り難く思う。そして、メンバー皆が、副作用をうまくコントロールしつつ、ちゃんと自分のやりたいこと、旅行等を計画し、実現させていることも天晴れだと思う。

 いつものとおり、気がつけばあっという間に4時間以上が過ぎた。
 ホテルの庭園はまだ紅葉の名残があり、紅葉の木の下で記念撮影。間抜けな幹事の私はカメラを持っていくのを忘れて大失態だった。
 次回の新年会日程を決め、名残惜しさいっぱいの中、どうぞ良いお年を、とお別れした。

 途中ターミナル駅で、そこまで同じ電車だったKさんとお別れし、自分だけ沢山のプレゼントを持っていることにちょっぴり居心地が悪くなり、急遽、夫と息子にクリスマスプレゼントのセーターを調達した。(ついでに自分のものもゲットしたが。)途中またも電車が遅れ、最寄り駅でご機嫌伺いのケーキを買って急ぎ足で帰宅した。
 有り難くもまたも夫が夕食の用意をしておいてくれた。昼に飽食したというのにしっかり頂いてしまい、胃がもたれており、ケーキは食べられないでいる。

 今日は1冊読んだ。
 11月に亡くなった佐野洋子さんの「役に立たない日々」(朝日文庫)。2003年秋から2008年冬までの日記風エッセイ。役に立たない日々という題名だけれど、解説の酒井順子さんが書かれているとおり、「本当に役立つ本とは、こういう本のことを言うのではないでしょうか。」に大きく頷く。「物忘れが烈しくなったり自己嫌悪に陥ったりガンになったりと佐野さんは全編にわたって心身の不調を訴えておられるのであり、いうなればものすごく後ろ向きなエッセイなのですが、読者はこの本を読んで暗い気持ちになるかといったらそうではなく・・・。生きるってこういうことだよなあと、私は思います。“生きていれば、死ぬのだ”ということを伝えてくれる本。」にとても同感である。そして今日も沢山のパワーをもらいながら、ああ、佐野さんの新しい本はもう読むことが出来ないのだ、という現実をまた思い知らされる。

 明日からはまた治療が始まる1週間だ。今年の治療納めは22日、仕事納めは例年通り28日。今日頂いた元気をもとに体調を整えて臨まなくては・・・。

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