生き生き箕面通信

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2239 ・安倍首相に騙され続ける日本の「群衆」

2015-02-09 10:14:10 | 政治

おはようございます。
生き生き箕面通信2239(150209)をお届けします。

・安倍首相に騙され続ける日本の「群衆」

 国会では、安倍外交に対する質問をし、疑問を正すと、安倍晋三という首相は質問者に対し、「まるで『イスラム国』を利するような質問ですね」とはぐらかし、肝心の質問にはまともに答えようとしません。

 なにしろ、国会が全員一致に近い状態で、「イスラム国」非難決議を採択したのです。安倍氏にすれば、「正義はわれにあり」です。批判がましいことはすべて蹴散らして、制圧前進。装甲車なみです。

 憲法改定に踏み込んだ発言をしても、世論はおとなしやか。新聞もテレビもおとなしやかです。日本の世論という「群衆」は、お上のなさることに極めて従順に従っているように見えます。

 ル・ボンというフランスの社会学者によると、「群衆」の特徴は、①感染する②過激に走りやすい③衝動的である④暗示に弱い⑤時に高い徳性を示す⑥国民も群衆化する⑦反復に弱い――だそうです。

 ヒトラーは、著書「わが闘争」で、「大衆はバカで女性的だ。1000回ウソを言うと、それは真実になる」と書いています。ドイツ国内にあったユダヤ人嫌いの感情に目をつけ、「ユダヤ人は優秀なドイツ民族の敵だ」と繰り返し強調し、大衆の感情を反ユダヤに染め上げ、ついにはホロコースト(ユダヤ人絶滅政策)を大規模に展開しました。ル・ボンの分類による「暗示や反復に弱い、感染する、過激に走りやすい」の特徴をフルに利用し、大衆操作に”成功”したのでした。

 正月早々の民法テレビ番組で、ヒトラーを取り上げ、その中で寺島実郎さんは、「耳当たりのいい、この人こそ問題を解決してくれる、という”笑顔のファシズム”がどんな時代にもあると見るべき」とコメントしていたそうです。いまの日本に、「一見紳氏風の”笑顔のファシスト”」はいないでしょうか。

 同じテレビ番組で、姜尚中さんは、「(大勢のユダヤ人を収容所に送った)アイヒマンについて、ある女性哲学者(映画にもなった「ハンナ・アーレント」)が『悪の凡庸さ』と表現したが、群衆がどんなに過激になっても、それはずっと以前から続いていた日常と連続していた」と語っていました。

 たしかに、太平洋戦争が始まった時、つまり朝の臨時ニュースが「真珠湾攻撃が成功した」と伝えた時も、一般大衆は「バンザイ、バンザイ」を繰り返し、そして日常生活を続けていました。軍部批判などは、押さえ込まれていたにしても、事実、ほとんどなかったようです。むしろ、かなり高い知性と見られていた人たちですら、「今日は気分が爽快だ」と、日記に記していました。

 姜尚中さんは、こうも語りました。「『日本は民主主義社会だ。先進国だ。だから、そんなものと切れている』と思わないで。ドイツでもアメリカでもどな社会でも、そうした『悪の凡庸さ』に陥りやすいということ。ナチス・ドイツのような『凶悪な社会』は突然現れたわけじゃない。日常の平凡な積み重ねの中から、ああいう状況が出てきた」。

 今年2015年、日本社会は、安倍政権のもとある方向に急カーブを切っています。