いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

さびれた工場に集う猫たちのために

2010年02月25日 20時02分16秒 | ねこ


■斜陽産業の断末魔

あやしい団体を発見;半導体産業研究所

発狂した科学者に続き、またぞろ、税金をあてにして(?)、なおかつ、この俺様たちがいないとこのニッポンは存続が危機だ!ナショナル・セキュリティだ!とチンドン、チンドン喧伝する集団。お役人さまもまきこんで情宣活動。ふた昔前の役所と業界のなれあい財団法人を目指しての事前運動という香りが...。天下り官僚の指定席を作りたい??...。時代錯誤もはなはなだしい。でも、そんな余裕はないんだよ、今の日本には。官民みんな没落の時代。



でもさ、もし本当にクニの礎なら、その礎がゆらいだり、かげったら、受益者自らが「雨ごい」をするよね。でも、そんな「雨乞い」を誰もしてくれないから、自分たちでチンドン、チンドン! 

それにしても上図の文句がおかしい。「日本に産業があるから電子機器の競争力を確保できる」って意味不明。そもそも日本の産業は電子機器の競争力のためにあるのか?電子機器の競争力があるから日本の産業を維持できるというならまだわかる。でも、「日本に産業があるから電子機器の競争力を確保できる」って??? 

一方、前提である「日本に産業がある」ならば、つまり雇用と企業納税があるならばそれで十分ではないか。その産業が農業だろうと何だろうと関係ないわけである。

半導体を消費している電器、パソコンメーカーはみんな海外から半導体を輸入してるよ。問題はない。日本の半導体が売れないのは競争力がないから。日本維持のために、ナショナルセキュリティのために、出来が悪くて、価格の高い日本半導体をメーカーが買わなければいけないのだろうか?!ナショナルセキュリティのために俺たちの半導体を買え!という「武士の商売」のようなことをしたらお終いである。tax-payerの誇りを捨て去ることになる。武士の商売、放蕩息子はcomical scientistsで十分だ。

設立趣意書より;

好不況等短期的要因に惑わされぬ長期的視点を必要とし、プランを実現させるためには強い影響力と実行力をあわせ持っていなければならない。  このような作業には業界のみならず政府、学会の協力がぜひとも必要

政府、学会の協力がぜひとも必要な産業技術って、終わってるっていうことだよ。

知られざる半導体産業のインパクト(←pdfファイル、やや重い)

半導体で培われた技術が他産業においてイノベーションの源泉になっていることを考えると,日本
の半導体産業が競争力を失えば,半導体産業が低迷するだけでなく,アプリ産業を初めとする他産業
においても競争優位を失う可能性がある。また,日本の産業競争力が低下するということは,基幹と
なる技術を他国に依存するようになる可能性も出てくる。そうなれば,日本がこれまで築き上げた
様々な国家的競争優位性を維持することが困難になるだけでなく,日本独自の目指す方向性や社会
問題への対応のあり方を自力で確立することもできなくなる。 望月洋介:日経BPクリーンテック研究所


つまり、半導体ある故に日本あり、だって。アタマ、大丈夫か?
産業界が政府をあてにして、しかも税金を納められなくなったら、ホントに日本は終わる。

利益をあげて、納税してナンボである。

▼参照 

Amazon; 日本「半導体」敗戦