■Governor General
両陛下のカナダ訪問 日本外交の貴重な一歩*1 現在リンク切れ。下記コピペ参照。
今夜もどうでもいい話だが、カナダの各州にはgovernor (lieutenant governer)がいる。ロンドンはバッキンガムの英国女王から任命、派遣されているのだ。
例えば、ブリティッシュコロンビア州のガバナー、アルバータ州のガバナー。 なぜかしら、(というか極めて文明戦略的に)ともに中国系である。
今回の両陛下訪加の儀礼では、lieutenant governersの"元締め"のgeneral governorとオタワのlieutenant governerがホストとして出迎えたと思われる。
・Wiki: Governor General of Canada
・The Queen's role in Canada, in the official website of the British monarchy
・ウイキ: カナダ国王
・拙記事: ずーっと女王陛下の臣民の老婆を見た! (Emperor of India→Monarchy of Canada)
■*1
グローバル・アイ
両陛下のカナダ訪問 日本外交の貴重な一歩=西川恵
天皇、皇后両陛下は3日からカナダ、米国の訪問に出発された。米国はすでに訪問しているが、天皇となってからカナダは初めてだ。
なぜ親日的な大国カナダをこれまで訪れなかったかというと、同国が属する英連邦16カ国はエリザベス英女王を国家元首としている。既に英国を訪問しているので、英連邦諸国を訪れる必要はない、との理屈だった。今回のカナダ訪問は慣例を破る新しい一歩である。
英連邦訪問が実現し、天皇、皇后が訪れていない懸案の主要国は韓国だけとなった。昨年来日した韓国の李明博(イミョンバク)大統領は天皇陛下との会見で訪韓を招請したが、日本政府にとって韓国訪問の見極めは難しい問題だ。
実は日本だけでなく、英王室もエリザベス女王が訪れてない主要な国が三つある。ギリシャ、アイルランド、イスラエルで、やはり歴史・政治問題が背景にある。
ギリシャの場合は女王の夫君フィリップ殿下の関係だ。殿下は元ギリシャ王族で、1歳の時にクーデターで国外に脱出。英国籍を取得し長じて女王と結婚した。ギリシャはその後、王制が廃止されて、殿下が英女王と訪問することに対するギリシャの世論を考慮して、訪問が実現していない。
アイルランドは英国の800年にわたる過酷な収奪に対する国民の反英感情、さらに長年の北アイルランド紛争と、英女王が訪問できる情勢ではなかった。しかし、06年にチャールズ皇太子が地ならしのためにアイルランドを訪れ、そう遠くない時期に女王訪問が実現するとみられている。
一番難しいのはイスラエルだ。現在のパレスチナ紛争のルーツは、ユダヤ人、アラブ人の双方に建国を約束した英国の二枚舌外交にある。パレスチナ紛争に対する英国の責任は重く、それだけに英国は慎重だ。
これまでイスラエルの故ラビン首相(当時)の葬儀にチャールズ皇太子が訪れるなど、何人かの英王族が訪問したが、非公式訪問の立場を貫き、イスラエル首脳との会見は避けている。イスラエル政府は繰り返し女王の訪問を求めているが、頑として応じていない。
古い伝統と権威を備えた日本の皇室や英王室のトップの訪問を受けることは、ホスト国にとって国際社会での認知度を高める機会である。ただ訪問する方は(1)双方の世論にプラスとなるか(2)国際情勢と両国関係--などを考慮して判断する。
英国にとって女王訪問は重要な外交カードだが、非政治的な天皇の外遊も広い脈絡では、日本外交の貴重なカードと言えよう。(専門編集委員)