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二刀流はいつまで

2023年12月30日 02時51分06秒 | フィギュアスケート

 大谷翔平の話ではなく
 先週の全日本フィギュアスケート選手権2023の放送で、「今年がシングルとして最後の全日本」と解説されていた本田ルーカス剛史。ペア競技を始め、今季は二刀流で両方の競技に出ていたが、来季からはペアに専念すると表明している。
 昨季の全日本で7位と好成績を残した森口澄士も、シーズンに入ってからペアに専念すると宣言、今季はもうシングルでは近畿ブロックにもエントリーしていなかった。(ただし全日本学生選手権にはエントリーしている。)
 ペアは、ジャンプやソロスピン、ステップなどシングルと共通の要素が多いので、シングルの経験はペアで有利になる。特にジャンプが安定していると大きな武器だ。二刀流は体力や練習時間が厳しくなるが、カナダなどではジュニア年代くらいまで両方やる選手がいるようだ。
 日本ではアイスダンスとシングルの二刀流も多い。というか、小さいうちにアイスダンスに専念する選手はほとんどいないと思われる。アイスダンスは1、2シーズンやってみてシングルに戻る選手がけっこう多い。
 どうも日本の男子の間では、アイスダンスは一段下に見られているというか 木戸章之さんも「都落ちのような感覚が」と言っていたし、西山真瑚くんも似たようなことを言ってた記憶がある。
 「ジャンプが跳べないからアイスダンスに行くんだろう」と思われている 逆にシングルが「スケーティングが下手だからジャンプで頑張るしかない」面もあると思うが…。J SPORTS 4の番組「Kenjiの部屋」で恒例の質問「ダブルアクセルがいつ跳べたか」に、堂々と「跳べたことない」という立野在くんのほうが珍しいようだ。
 全日本選手権ではアイスダンスで若手の“あずしん”と”うたまさ”の躍進が話題になったが、彼らがいつ頃まで二刀流をしてたのか、ちょっとチェックしてみた。
 4人の中で一番早くアイスダンスを始めた吉田唄菜は、吉田唄菜/杉山匠海で全日本ノービス優勝した2016年、シングルはノービスA2年目で中四国九州ブロック11位。その後はシングルで全日本に繋がる大会のエントリーはない。
 2017年・2018年に岡田和珠と組んで全日本ノービス2位の森田真沙也は、ブロックには出ていないが全国中学校スケート大会で2017年22位、2018年は24位。2019年はシングルの西日本ジュニアに進んで17位、インターハイでも23位。このシーズンはアイスダンスに出ていない。
 來田奈央と組んで全日本ノービス優勝の2020年はインターハイ9位 それ以降はシングルでは出ていないようだ。
 西山真瑚は吉田唄菜とのカップルで2019年・2020年と全日本ジュニア連覇。シングルでは2019年全日本ジュニア9位、2020年はインカレにエントリーしたが欠場。高浪歩未と組んでいた2021年はシングル出場がなく、パートナーがいなかった2022年は全日本出場を果たして16位。
 (今季はもうアイスダンス専念?と思ったら、インカレにエントリーしている 四大陸も控えてるけど、、、?)
 ちなみに全日本ジュニア優勝・岸本彩良/田村篤彦組の田村篤彦くん、佐々木彩乃と組んでいた2020年・2021年はシングルも出ていた。2020年東日本ジュニア24位・インターハイ22位、2021年インターハイ36位。岸本彩良と組み始めた昨季からはダンスだけらしい。
 こうしてみると、なんだかんだ、けっこう長期で二刀流をやっている男子が多いかも
 圧倒的に長期間の二刀流を続けているのは、全日本ノービス優勝の吉田菫/小河原泉颯。ノービスに出場できる年齢になってからずっと、全日本ノービスに両方で連続出場。泉颯くんはシングルでジュニアに上がって、1年目は西日本で敗退したが2年目の今季は全日本ジュニアで18位。菫ちゃんも昨季5位、今季6位と相当なものだ。
 満を持してジュニアに上がる来シーズンはどうするだろうか。“さらあつ”岸本/田村組の世界ジュニア成績次第で、ジュニアグランプリシリーズの派遣はもちろん、もし2枠が取れていたら世界ジュニアもあり得る。本人たちはもう少しシングルもやりたいのかな?

 アイスダンスとシングル、要素の違いが大きいので二刀流のメリットはあまりないような気がするが、そうでもないらしい。何と言っても、アイスダンスをやるとスケーティングが上手になる。スケーティングがきれいになると、ジャンプも安定する傾向にある。ジャンプが跳べるようになるとシングルの成績が上がって楽しくなり、結局シングルに専念・・・というパターンが日本では多いかもしれない。
 反対にシングルでスピードに慣れていると、アイスダンスでしっかりスピードに乗れる面もある。大人になってからアイスダンスに転向して成功する人はそのパターンかも。マルコ・ファブリ(イタリア)ジュニア時代シングルでジュニアグランプリシリーズに出ていた。
 日本ではアイスダンスを練習する環境が十分でないという理由で、アイスダンスをやりたいけれど仕方なくシングルで練習を続けるケースもあると思う。できるだけ選手たちの希望どおりになるといいな 

コメント
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