1万8千人の観客が毎晩さいたまスーパーアリーナを埋め尽くした、フィギュアスケート・世界選手権2014。ふりかえってあれこれ。
<1人だけ場違いになっちゃう、滑走順の決め方>
大会前から滑走順関連のキーワードで検索してくる方が多く、私も気になっていた。SP/SDの滑走順は、昨年は世界ランクでトップ2グループ分が最終とその前、世界ランクでそれに準じる1グループ分が最終の2つ前だったが、、、
実際見てみると、男子と女子では最終の2つ前のグループに、どう見ても世界ランクで上から3つ目のグループに入れそうにない選手が混ざっていた。7グループになったアイスダンスでは、第4グループに第5グループのカップルよりランクが上のカップルも入っていたし、、、一体どういう方法?
しみじみ眺めてみると、ようやくわかってきた。上半分と下半分に分けたらしい。
出場選手を世界ランクで上位の半数(端数切り上げ)と下位の半数に分け、滑走順前半と後半とした。それから上位2グループ分(男子と女子は12人、ペア8組、アイスダンス10組)を最終とその前のグループに。
上位半分(後半)の残りを、最終とその前のグループを除いた後半の滑走順の中で抽選。下位半分(前半)は、滑走順前半をひっくるめて抽選。すると、前半と後半の境目がグループの途中にくるという状況が発生
男子は#16までが前半、#17から#32が後半。第4グループは#16から#20だったので、抽選で#16を引いたロナルド・ラム選手(当時100位)は、30位台の選手たちと同じグループになった。
女子も#16までが前半だったので、第4グループ最初に世界ランク60位前後のユリア・トゥルッキラ選手が入った。直後がアンナ・ポゴリラヤ選手、やはり少し差がある感じではあったかも。
アイスダンスは出場33組、第4グループ3番滑走の#16までが前半。#17から#23つまり第4グループ4番滑走から第5グループが、トップ10に続く選手たちに相当。#16のポール/イスラム組はSD11位と健闘したが、#14と#15のカップルはフリーに進めなかった。
ペアは出場が23組だったので、上位半分は12組、ちょうどトップ2グループ+その次の1グループが後半にはまる形になった。
男子と女子に関しては、出場人数が最終的に少なめ(男子32人、女子33人)になったので、「トップ2グループ+その次の1グループ」をシードすると、半分より多い数が特別扱いされることになってしまう。それでこんな方法にしたのかな?
逆にアイスダンスは多め(33組)だったから、「トップ2グループ+その次の1グループ」より2組多くシードされたことになる。このややこしい決め方、来年も採用されるのかしら、、、
<放送・配信・ストリーム>
地上波放送はフジテレビが毎晩7時から生中継した(男子と女子の第5・第6グループ)。生中継してもおかしくない時間帯にわざわざ録画放送することが多かった局が、今回はどうした 「熱でもあるのか」「ずっと熱が出たままでお願い」とネットで言われてた(爆)
しかも、男子と女子は第1グループから第4グループまでを、ネットのストリームでライブ配信 自国開催のメリットを最大限生かしたと言える。生で見たい派のファンには大好評だった。
一方で録画で見るファンには、第4グループまでの選手でいい演技があっても放送で取り上げられなかったことに不満があったようだ。明日からBSフジで独自編集の放送があるが、そちらではどうだろうか?
ペアとアイスダンスは日本勢と上位だけ録画放送で。男子と女子の公式練習にかなりの時間が割かれたので^^; こちらもBSフジのほうは少しマシだといいが
ISUが管轄するISU Skating Channelでも、ライブのストリーム配信があった。最初の種目・ペアSPは日本でも見られたが、その後は地域制限がかかった。男子と女子はフジテレビが配信・放送だから当然として、ペアFSやアイスダンスで制限されたのは、後で全種目・全滑走を放送予定のJ SPORTSからクレームがあったかな^^;
その他のストリームは、Спорт、Россия 2、EUROSPORT1などがキャッチできた。СпортとРоссия 2がリレーする形の日は、突然別の競技が始まって大焦りだったけど ほとんど生で見られて、私にとっては嬉しかった。
<自慢の観客>
男子SPで羽生結弦が位置についたときに「愛してる!」と声がかかって話題になり、ネット上で非難ごうごうだったが さすがに反省したか、その後は非常識な声はなかった。ジェレミー・アボット選手のときは、お父さんの声がちゃんと届くように、早めに静かになったそうだ。
平日の昼間はさすがに観客数が少なくて少し寂しかったけど、どの種目、どの選手でも、よくできたエレメンツ一つ一つに拍手が起こり、ミスや転倒の後は励ましの拍手。素晴らしい演技にはスタンディングオーベーション、各国の国旗が振られる。こちらの記事にも取り上げられた。
シーズンベストや自己ベストを更新する選手が多かったのは、温かい観客のおかげ 見ていて気持ちのいい大会だった。
来年の上海、再来年のボストンも、そんなふうになるといいな