意識を分散したトレーニング（イチロー）

　昨年末の「Ｊスポ」でイチロー選手がインタビューに応じていました。

　それも、練習しながら。

　気軽にやっているのかと思ったら、イチロー流の効果的トレーニング。

　「インタービューの方に意識がいき、動かしている部分に意識が集中しないから、翌日の疲労度が軽減される」
　という、イチロー選手の説明でした。

　まだ、検証中という言い方ではありましたが、意味ある取り組みと感じました。

　集中しすぎると、練習効果以上に疲労の蓄積が起こるというのは、何となく経験則的にわかる感じがするのです。

　例えば、市民ランナー向けに「にこにこペースのジョギング」が効果的というのがあります。
　仲間と談笑できるくらいのペースで練習することが、継続できかつ効果もあると。
　あるいは、もう少しレベルアップした時にＬＴペースでのトレーニングというのもあります。有酸素運動と無酸素運動の境界線のペースでしょうか。

　いずれも追い込んでいないけれど、トレーニング効果は期待できると言われています。

　通常のとらえ方では、練習中に話をしていたら
　「こら！　練習中だ。集中してトレーニングに取り組め！」
　となると思います。

　だけど、どうやら「集中」ということに関しても、新たな次元を考えるべき時かもしれません。

　もちろん、大勢で練習している時に、おしゃべり優先になってしまっては、トレーニング効果はおろか、怪我や故障等を誘発しかねないので、そのあたりは十分ご用心だと思います。