語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】お染風 ~江戸のインフルエンザ~

2018年01月26日 | 医療・保健・福祉・介護
 気象庁の平均気温偏差を見ると、日本の年平均気温は100年あたり約1.19度の割合で上昇しており、特に1990年代以降は、高温になる年がたびたびあった。これは地球温暖化によるものなのだろうか。
 時代をさかのぼると、江戸期の1700~1800年代前半にかけて日本は長期的な大寒波が到来。凶作となり、享保、天明、天保の大飢饉がこの時期に起きている。
 体力が衰弱した人々の間にウイルスがまん延し、インフルエンザの大流行も起こった。当時は「時気感冒」「天行感冒」といい、江戸時代には27回の大流行があったらしい「徳川将軍家十五代のカルテ」(篠田達朗、新潮新書)。
 当時、大きなインフルエンザの流行には、お駒風、谷風、お七風などと人の名を付けられた。「お染久松」という心中物語がはやったときのインフルエンザは「お染風」と呼ばれ、家々では玄関の上に「久松るす」というお札を貼ったという。久松はいないから、この家には立ち寄るなということなのだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「お染風 ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2017年12月21日)を引用
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