語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【加賀乙彦】フランスの妄想研究

2016年07月31日 | ●加賀乙彦
 加賀乙彦の本名の小木貞孝名義の論文集。3編の論文で構成される。
 (a)「フランスの妄想研究」・・・・妄想の症候論の歴史的考察、妄想の病因論、2~3の現象学的考察及び当時における全体的展望が記される。加賀/小木のフランス留学時における読書覚書がもとになっている。
 (b)「ミンコフスキーの妄想論とその周辺」・・・・フランスの現象学受容の下地にベルグソンの存在があった、と哲学者木田元は言うが、こうした流れは精神医学でも同じで、ミンコフスキーがその傍証となる。
 (c)主としてガストン・バシュラールをめぐる物質的想像力論、心象夢論。ドロマール「妄想の拡散と放射」も紹介されている。『フランドルの冬』の博識にして奇癖をもつJ・V・ドロマール医長のモデルか。

□小木貞孝(加賀乙彦)『フランスの妄想研究』(金剛出版、1985)
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