語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【詩歌】燕

2014年06月18日 | 詩歌
   門(かど)の外(と)の ひかりまぶしき 高きところに 在りて 一羽
   燕ぞ鳴く
   單調にして するどく 翳りなく
   あゝ いまにこの國に 到り着きし 最初の燕ぞ 鳴く
   汝 遠くモルッカの ニュウギニヤの なほ遙かなる
   彼方の空より 來りしもの
   翼(つばさ)さだまらず 小足ふるひ
   汝がしき鳴くを 仰ぎきけば
   あはれ あはれ いく夜凌げる 夜の闇と
   羽(はね)うちたたきし 繁き海波を 物語らず
   わが門の ひかりまぶしき 高きところに 在りて
   そはただ 單調に するどく 翳りなく
   あゝ いまにこの國に 到り着きし 最初の燕ぞ 鳴く

□伊東静雄「燕」(『伊東静雄全集』、人文書院、1971)
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン

    フクシア(ビーコン・ローザ)                    フクシア(ビーコン・ローザ)
      

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【原発】【食】健康食品「青... | トップ | 【佐藤優】独裁者の「再選」... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

詩歌」カテゴリの最新記事