よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

神保町で思う技術インテリジェンス

2008年08月13日 | 技術経営MOT
日本には中国と国境を接する国々の情報がよく集まってくる。知る人ぞ知るのは神保町のレインボー通商



ぶらっと店内に入ると、インテリジェンス関係者と思しき人々が入れ替わり立ち代り入ってくる。かれらは決して店内では母国語をしゃべらないが、商品の代金を払うときの多少ぎこちない会話から、出自がわかる。



店内には一級の資料、史料が揃っている。店主のMさんが定期的に中国経由で、北朝鮮と接する国境の町までおもむき、特定のルートから仕入れてくるのだ。この店の強さは店主の人脈、ヒューミントにある。



日本は機密性の高い文書でも公刊するカルチャーを持つ。北の関係者が下記のような文書を求めるのもうなずける。

「北朝鮮の極秘文書 」1945年8月~1951年6月
上・中・下 281,400(税・送料込み)
米国・国立公文書館所蔵資料+朴慶植氏から編集・解説:萩原 遼が特別入手した資料2点=「正しい路線のために」、「正しい路線」
上巻「ソ連占領下の北朝鮮と朝鮮共産党」、
中巻「朝鮮戦争を準備する北朝鮮」、
下巻「南進から平壌陥落まで」 
出版元 : 夏の書房、各巻約500枚
発行: 初版1996年、第2刷:2007年、第3刷:2008年1月


「金日成綜合大学学報 語文学 김일성종합대학학보 어문학」(金日成綜合大学出版社)もきちんと揃っている。



気になる話だが、北朝鮮内で発行されている雑誌の紙の質がこのところ粗悪になってきている。軍内部の綱紀引き締めのために配布した冊子なんかも急ごしらえの雑駁感はいなめない。一国の情勢は活字に現れるので、相当に厳しい状況にあることを窺わせる。

「ラジオの製作」、「CQ」といったアマチュア無線雑誌がその町にもあったそうな。工作機械などの非常にクリティカルな設計図、仕様書などもかの地になんらかのルートで北に漏洩されている。北の技術インテリジェンスの実行、鹵獲ノウハウは巧妙を極める。

I博士のようなロケットやミサイル関連の技術を持つ人物を取り込んで機密情報をまるごと得るような積極ヒューミントはお手の物。

日本のMOTにはカウンターインテリジェンスを含めた技術インテリジェンスが必要だ。

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