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自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

看護と医療経済・医療経営

2005年01月04日 | 健康医療サービスイノベーション
看護のありかたが医療経済、医療経営を大きく左右している。看護のあるべき姿を方向づける際に、大切になってくるいくつかの点をまとめる。

マクロ医療経済の視点からは:
(1) 高齢化する人口をケアする専門職としての適正な数と質の看護師の養成、確保。
(2) 医療の公定価格、配分ルールを決める診療報酬制度における看護料金算定。
(3) 看護師の人件費の適正配分、公正な看護職賃金制度の導入

マクロ医療経済に関わることは構造的で行政、立法の手続きが必要だ。また、利害関係者間の調整にはポリティクスが介在するので、なにぶん時間のかかる対応になる。

その一方で、医療経営の視点で見る変化、変革は個々の医療、看護の現場で明日からできることが多い。

医療経営の視点からは:

(1) 健全な費用対効果を実現する主体者としての看護の高度化
従来の出来高払いから定額制、在院日数による入院料金の低減制は医療機関、看護部門に費用対効果の高い仕事の進め方を迫るものだ。クリティカルパス導入は日本の場合、看護職主導で導入されることが多いが、依然としてクリティカルパス導入における看護の役割は非常に大きく、臨床的効果、患者満足効果、コスト効果の確保の最前線に看護職はいると言える。また褥創ケアなど費用対効果を意識したケア手法の導入に際しても有効な発言ができる立場にもいる。

(2) 仕事ぶりの評価システムの構築、導入
仕事ぶりとは、職務の成果、職務遂行過程で発揮される能力、態度の総和である。看護の質は言うまでも無く仕事ぶりと表裏一体であり、仕事ぶりの評価=人事考課の導入は看護の質評価という点から必須である。また脱年功賃金という課題にとっても仕事ぶりの公正な評価=人事考課制度の導入は必要不可欠なものである。

(3) 患者満足を高めるためのトレーニングによる看護の活性化
多くの看護者は患者と接するときにはティーチングをしている。ティーチングとは教える立場から教えられる立場への指示、指導である。今後は援助的、双方向的に問題を解決するコーチとしての役割が求められる。インフォームドコンセント推進、接客ヒューマンサービスとしての看護を推進するにはコーチングアプローチが必要だ。これらはトレーニングによって対応すべきだろう。



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