よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

『旅用自転車 ランドナー読本』に掲載

2010年03月11日 | 自転車/アウトドア
『旅用自転車 ランドナー読本』が「山と渓谷社」から近々に発売されます。

ランドナー読本ということですが、キャンピング車中心(?)の紹介ということで、僕が乗っている片倉シルクのキャンピング車CS15-4(1974年型)と僕自身が世にも不思議なご縁で載ることになりました。

この自転車をめぐる「不思議なご縁」な来歴をメモ。

もとはと言えば、この自転車はあるサイクリストの友人O橋さんから贈与されたものです。なんでもO橋さんは昔、サイクルスポーツの「自転車譲ります」のコーナーで、病を得て亡くなったサイクリスト某氏から生前に譲り受けたものです。古い自転車を修理して乗るのが好きな僕に、O橋さんから、その自転車が巡ってきたのは数年前です。

僕だったら大事にメンテナンスして乗ってくれるだろう、と判断した(?)O橋さんから僕が、この名車を贈与されたのです。これは交換ではなく、贈与(会計学的な意味ではなく、文化人類学な意味)です。なぜなら、病を得て亡くなった初代オーナーの記憶や意思が埋め込まれたモノがこの自転車です。

最近のブログに「贈与の環が動くとき霊力が動く」と書きましたが、まさに、この自転車にはある種の記憶(たぶん霊といってもあながちハズレではないでしょう)が宿っているのです。

だから僕はこの自転車を大事に保管して、しっかりと走ろうと心に決めてO橋さんから「贈与」を受けたのでした。凛として身が引き締まる思いで預かる、否、授かることになったのです。

それから、この自転車を丹念に修理して復活させて家族全員で北海道自転車ツーリングに行きました。初代オーナーの方もさぞかし喜んでくれたことでしょう。

そして、昨年、関戸橋の自転車フリーマーケットにこの自転車で参加しました。フリーマーケットとは、「市場」の交換の束縛から逃れた「意味の贈与」の場ということを、僕はこの場の中でちょっとわかったように感じました。交換には物と人、人と人とを分離するはたらきがあるが、サービスには物と人、人と人を絡みつけ結びつけるはたらきがある。その意味で、関戸橋フリマは、自転車好きコミュニティのソーシャル・イノベーションなのでしょう笑)

その時、多摩川の原っぱで5-6台のキャンピング自転車の仲間に入れてもらい、平野監督とお友達になりました。僕は同類に対しては、同族識別本能が強いほうなので、自転車好きは一瞬にして分かります。そしてすぐに語り合って仲良くなります。

それやこれやで、僕の変人ぶりが平野監督(まあ、この人もかなりの変人、変態ですが)の記憶の奥底にも残っていたのでしょう。ある方を通して僕と僕の自転車、否、僕と3人のサイクリストに継承されたこの自転車が取材を受けたのがたしか1月でした。根っからの自転車好きなので、自転車狂同士、自転車談義で至福の時を過ごしました。

取材の中でもちょっと上記のような話をしましたが、今ふうの読者には気持ち悪がられるかもしれないので、あまり、こんな話は引用されないでしょう。ご興味がある方は、別に買わなくてもよいので、本屋さんでパラパラめくってみてください。

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