よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

2013北海道自転車ツーリング①函館から松前へ~ああ、津軽海峡夏景色~

2013年08月20日 | 自転車/アウトドア

                 (今年の装備)

待ってました北海道!

毎年、夏の年中行事になった北海道自転車キャンピングツーリング。12年連続だ。

いろいろ積り積もる雑事はあるものだが、こうして、世俗的な雑事と神聖な自転車ツーリングを北海道で両立させて、健康な体で走れることは、やはり、有り難いことなのだっ!

今年は、客員をやっている札幌の大学で授業が終わってから晴れて自転車で函館スタートのコースとなった。

「晴れて」と書いてしまったが、実は天候は雨。

とほほ。

函館はあいにくの雨、雨、雨。去年も土砂降りの中、札幌から奈井江温泉までずぶぬれになって走ったので、まあ、いいか。去年の大雨に比べれば、状況はいいほうだ。

ということで、函館湾を西方へ228号線をひた走る。冷たい雨の中を走ると、直前までの3泊がとほうもない贅沢の極致のように感じられる。なにせ、今日からは1日の予算は1500円と決めている。

泊りは野宿。基本、屋根やベッドのあるところは泊らない。テントを張って地べたに寝ることをルール化したのだ。

知内川のところで228号線はいったん内陸に向かう。10km弱走ると、しょぼい道の駅がある。そこでしばし休憩。雨の日の休憩は休まらない。なんというか、気が萎えるのだ。ついつい弱気になってしまい、とまれる宿の情報を探している自分が情けない。

とほほ。

でも、車で旅をしているオジサンから「アンタ、自転車でスゴイですね」なんていわれると、また元気にもなってくる。

で、福島峠という160mの峠というか丘にアタック開始。雨の日のダラダラ登りは、始末が悪い。いくらゴアテックスのアウターを着ていても、体は蒸れるし、眼鏡は濡れて視界は狭くなる。

そしてなにより疲れるのだ。

ぶつぶつ文句を言いながらも(気持ちの中で)、福島峠をやっつけると、けっこう爽快なダウンヒルだ。松前国道は一気に海まで駆け落ちて、福島漁港へと。風をうけてドカンと降るので、濡れていた着衣もある程度は乾くのがうれしい。

そこで、「横綱の里ふくしま」というこじんまりとした道の駅でしばしfacebookなどやりながら休憩。facebookで実況中継みたいなことをやっていると、同好の士氏からいろいろコメントなんかが来て、これまたモチベーションの維持にはなるかと。サイクリストの間でSNSがはやるのも分かる気がするね。

そこから10kmほど海岸線を走って白神岬をゲット。北海道最南端である。去年は、非常に苦労をして札幌から知床岬の先端まで、自転車、シーカヤック、徒歩で、全行程人力で移動した。これはこれで、長年温めていた構想で大きな達成感があった。知床岬ほど、アドベンチャラスな岬ではないにせよ、北海道最南端の白神岬を自転車でゲットした意味はある。

                           (白神岬)

さて、体が冷えてきたので、松前温泉休養センターにしけこんで、温泉にありつく。いやー、一日雨の中を走った後の温泉は、まさに天国、heaven。

かけそばとチャーハンで650円。ああ、うまい。幸せだ。

あわよくば、この施設の空き地にテントを張らせてもらい、雨露をしのぎながらテン泊することをスタッフのおばさんとおじさんにお願いしたのだが、クマ、イノシシなどの動物が頻繁に出没し、去年も無断でテン泊したライダーさんがほうほうのていで逃げてきたそうな。

かわりに、松前の海沿いに北前船松前という道の駅があり、そこで無銭テント泊できるよと教えてもらった。はてな?携行しているツーリング・マップルは2003年版なので10年前のものだ。古すぎて、この道の駅がまだ載っていなかったのだ。

はやり、地元の人と積極的に交わって、地元の情報をこまめに拾うのがいい。

その道の駅へたどりつくと、軽のバンを海に面した駐車場に止め、遠く竜飛岬の方を眺めながらちびりちびりと酒を飲んでいる初老のカー・キャンパーが。

実に絵になる風景だ。

津軽海峡を眺める初老の旅人・・・・。

にび色とも鉛色ともつかない津軽海峡、そしてその向こうの黒く染まりつつある竜飛の土地の凹凸の少ない稜線を見ながら、この人、何を思う?

推して知るべしか。

ということで、話しかけたら、アンタも一緒に飲むか?といことになり、意気投合してすんなり、二人で飲み会が始まる。

彼は、なんでも若い頃に、上司と大げんかをして、ぶんなぐり、その後、独立して印刷会社を始めたそうだ。経営を拡大するために小さな印刷会社を買収したのだが、約束の金を払えなくなり、訴えられ進退きわまったそうな。財産を守るため、奥さんとも離婚して苦労の連続だったそうな・・・。

なるほど、こういう過去の物語が紡がれる風景としては津軽海峡はうってつけだ。べつにこちらから訊いたわけではないのだが、この初老の起業家は、語らずには居られなかったのだろう。

おれだって、いっぱしの起業家よ。そういう物語にはつきあうぜ。

道々流木を集めて、東京の家に持ち帰ってはニスで染め上げて置物にしているそうな。その作品アルバムは力作揃い。軽のミニバンに所せましと寝袋、火器、食料などを積み込み、なんと折りたたみ式の小経自転車まで積んでいる。

体力に自信がないので、町から町は軽自動車で走るのだが、町に入ってからは折りたたみ式の小経自転車をささっと組みあげてサイクリングをしているという。

御年、65才のクリエーティブな人だ。

な、なるほど、こういう旅のメソドロジーもいいな。オレもあと何年かしたら、マジメにこういうやり方を考えてみようか。なんて不純なことも頭をよぎる。

                      (道の駅、北前船松前)

ということで、2時間、お手製の酢の豪華ハムを肴に焼酎で二人の飲み会。

ご馳走様でした!

旅は道連れ、世は情。

ずいぶん酔ってきたので、綺麗な道の駅の屋根がある所に、テントを張らせてもらって、無事無銭テント泊。

走行距離:95km

つづき 


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