散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

名古屋への慌ただしい旅(6)

2009年02月14日 21時06分51秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
今日目が覚めてから約12時間が経過。居酒屋の後はやはりバーだろう。今池にある「SR」にやってきた。ここは私が参考にさせていただいているブログで知ったバーなのだが、一般的に観光客は来ないような店だと思う。



開店直後に店内に入ると、幸い先客が1名。ホッとして角ハイボールを注文した。サントリーの角を使うのがこの店のスタンダードなハイボールらしい。多分ダブル量で入ったと思うが、強力なキック力だ。

もちろん酒の多さだけが特徴ではなく、板氷を丁寧に割り、ソーダ水の注ぎ方にも考えがあるのだと思う。非常にしっかりした安心感のある作り方である。2杯目はバックバーを眺めて、あまり見かけたことのないグレンドロナック12年にしよう。



ストレートで注文したのだが、量はたっぷりだ。これを飲みながら隣席の客が注文したカツサンドができるのを見学する。パンをトーストし、ポークカツを揚げ、一から手作りだ。確かこの店は料理もかなりの水準と書いてあったような気がする。残念ながら今の私には食べ物は無理だ。

なみなみのウィスキーを飲み、次の店に移動しよう。この店のある今池というところは、商業地半分、住宅街半分といった札幌で例えると琴似のような感じだろうか。私の家の近くにこのバーがあったら通ってしまいそうな、街場の庶民派バーという感じであった。値段も1650円だったし、良い店だ。

地下鉄で伏見に戻る。今度は事前に調べておいた名古屋でも代表的なバー「B」だ。地下の店に入ると、なかなか落ち着いた感じの店、これは悪くない感じがする。



まず1杯目はジンフィズにしよう。ジンの銘柄を聞かれるが、最初の一杯はお店にお任せだ。すると小ぶりグラスに入ったジンフィズが到着。ほのかな甘みは和三盆を使っているらしい。

期待感がわきあがってきたところで、最近愛好しているアクアビットのカクテルを注文。するとまずはレッドバイキングだ。甘さをセーブしてアクアビットの味と香りを生かした味わいは非常に飲みやすい。



次も「アクアビットかなあ」という私の希望で、アクアビット+金柑のカクテルが登場。これは金柑の渋みと甘みを生かしたシンプルなカクテルだ。



ところで、カクテルグラスに飾りがついているのだが、これが非常に凝っている。普段の私はこういった飾り物にまったく興味がないのだが、月に星、梅にウグイスと良くできた飾りに、ちょいとビックリである。なぜ梅にウグイスなのかと思っていたのだが、良く考えるともう名古屋は春の風情なのであった。今日の最高気温は19度、札幌から来たばかりの私には暑いといっても過言ではない気温だ。



もう少々飲み過ぎなのだが、これは最後にマティーニを頼むしかあるまい。今度はブードルスで行こう。飲んでみたところさすがに美味しいマティーニである。すっきり、かつキック力もあり、盤石の味わいである。まだそんなに年ではないバーテンダー氏だが、これは名古屋の名バーと呼んでも過言ではない。

また来たら、必ず行くであろうと心に誓い、すっかり酔っ払ってホテルに帰る。途中でライトアップされたテレビ塔を撮影していたようだが、記憶があやしくなっていた。良く帰れたな。

この日は17545歩。


名古屋への慌ただしい旅(5)

2009年02月14日 17時00分35秒 | 飲み歩き・道外(東京以外)
さて、名古屋で酒を飲もう。まずは栄から伏見までぶらぶら散歩。目的地は16時開店、名古屋の名居酒屋「DH」だ。この店が開店と同時にあっという間に込むそうなので、遅れないように行かなくてはならない。



16時とともにどこからともなくオッサン達が列をなして店内に吸い込まれていく。私も負けじと約20番目位に店内に入った。「一人です」というと、テーブル席を指示される。ハッキリ言ってこの店、全員合席である。私の座った8人テーブルは、夫婦もの2組、その他の4人は全く知らない者同士なのだ。

酒の注文を取りに来てくれる間、小皿テーブルからおつまみを取ってくる。この店では大皿料理を一人用の小皿に取り分けた物が準備されており、それを好きなように取ってくるのだ(料金は皿の種類でわかるらしい)。他にガラスケースに入っている魚を焼く・煮る・刺身で、という注文もできるらしい。

まず私は穴子(多分)を細かく切ったものと蝦蛄ボイルを取ってきた。酒は賀茂鶴の燗である。一人で飲むにはこのつまみの量は非常にうれしい。また柔らかく燗のついた樽酒が合うなあ。周りにも初めてこの店に来た感じの人がいるが、見ているうちに流儀が分かってきて、次々につまみを取りに行ったり注文している(私は本とブログで学習してから来ている)。







かなり雑然とした雰囲気だが、これはこれで群衆の中の孤独という感じで悪くない。お店の人も細かく気を使っているし、これだけの大人数(20分位で1階数十席が満席)なのに、煙草を吸う人がほとんどいない。

追加で鶏肉・もつ・ごぼうと稚鮎甘露煮を行こう。これまたつまみにはもってこいだね。特に稚鮎が甘い味付けながら、ほのかな苦味が少しだけ感じられる。最後に鶏レバ煮。これがまたいい。ねっとりとした舌触り、ちょっとピリ辛にした味付けともに申し分ない。







ふだん私は酒を飲んでいるときも本を読んでいることが多いのだが、この店ではそれは何か違う感じがするな。周りの会話を何となく聞きながら、ぼんやり飲むのが正しい姿のような気がする。それから、一人飲みで肴を5品食べられるというのも嬉しいねえ。しかもこれで値段が2130円だ。またぜひ行ってみたいものである。

名古屋への慌ただしい旅(4)

2009年02月14日 15時02分22秒 | ART
ワイエスを見終わった後、「愛知芸術文化センター」内で2か所ほどサークル展を見たあと、迷っていたのだが「日展 東海展」を見ることにした。何で迷っていたかというと、1000円だからなあ(ドニチエコきっぷで100円引き)。



しかし、これまた驚かされることになった。とにかくレベル高いっす。会場はごちゃごちゃで見づらいったらありゃしないのだが、強烈にレベルが高い。次々繰り出される大作に打ちのめされる思いであった(私は画を描く人じゃないけど)。しかし途中で西田陽二の作品を見て我に帰った。大丈夫、決して負けてない気がする。

予想以上に時間がかかり今日はこの辺で。テレビ塔の4階ギャラリーをちょっとのぞき、ホテルにチェックイン。ホテルはテレビ塔のすぐ横にあるのだ。


→テレビ塔は登録有形文化財なのだ。


→名古屋は来年開府400年。歴史あるねえ。

名古屋への慌ただしい旅(3)

2009年02月14日 14時27分38秒 | ART
昼飯をすませ地上に出る。名古屋にもテレビ塔があり、栄界隈ではこれがランドマークになるので方角が分かりやすい。もっとも札幌市民としては、白いテレビ塔には違和感を感じる。



まずは徒歩で行ける愛知県美術館へ。「アンドリュー・ワイエス-創造への道程-」を見る。多分、好きな画家だよなあと思っていたが、やっぱり好きだ。ど真ん中ストライクに近い。



今回の展示だが、ワイエスの制作過程に焦点を当てており、デッサンから色ありの習作、そして本作へという展示構成になっているのだ。順番に見ていくと、だんだん世界が立ち上がってくるような感じがする。

彼の作品は取り立てて素晴らしい景色や傑出したものを描いているわけではないのだが、なぜか真面目に向き合わなくてはいけない気持ちになってくる。彼自身が非常に誠実に画に向き合っているのが感じられるのが一つの理由だろう。もう一つは、その世界が「浮かれていない、実体のあるアメリカ」だからかな。アメリカにもちゃんとしたところはあって、金融バカやローン(つまり借金)を組んでまで消費する消費者もいるのだが、おそらく質実剛健な人たちもいるはずなのだ。

それから彼の画は上手い。これが細部まで細かく描きすぎた無用の上手さではなく(そういうのも大好きなのだが)、必要にして十分に上手いのである。きっちり描いているところの絶妙の上手さと、割とおおざっぱに色をのせている所。実に気持ちの良い作品だ。

今回、彼の自画像もあったのだが、これがまたカッコイイのだ。1938年に描かれた自画像は、緑色の明るい色使いで顔も生意気な感じだ。しかし1944年に描かれたものはもう遠くを見るような眼になっている。この間に「人生の大部分は華やかなものではない」と気づいてしまった男のようであった。

さて、次は常設展だ。まず「近代の日本画-木村定三コレクションを中心に-」では小川芋銭の作品が中心。珍しい所では萬鉄五郎の日本画が2点あった。

「20世紀美術の展開 クリムトから桑山忠明まで」では有名どころはクリムト、ココシュカ、ピカソ、モディリアーニ、マティス、藤田など。目録を見るとトヨタ・東海銀行・中部電力から寄贈された作品があり、財界力の差を感じる。

「特集展示 奈良美智1991-2001」。奈良の作品が19点あり、ファンにはたまらないだろう。私は好きでも嫌いでもないので、「ふーん」という感じで見た。

「近年の受贈作品から 大森運夫/片岡球子ほか」。地元の画家富田弘一の「とこなめ」という作品が良かった。昔からの陶器の町が開発などで崩壊していく様子を描いたものだ。球子は面構シリーズ1点と裸婦2点。

最後に「特集展示村上華岳」を見る。「観音」という作品は彼らしい柔らかさがあり、「魔障之図」は三面鬼をさらっと描いて上手い。これも10点近く見ることができたのは、なかなか無いことだろう。このあと屋上の野外展示を見て終了。かなり充実した美術館だと思う。


名古屋への慌ただしい旅(2)

2009年02月14日 12時13分24秒 | 食べ歩き
さて、まずは昼食。名古屋めしには色々あって、何を食べるかが問題である。まだ本場で食べたことのないもの、という理由であんかけスパゲティの店「c」へやってきた。あんかけスパゲティはレトルトのソースを使って自宅では食べたことがあるのだが、果たしてどうだろうか。

開店と同時くらいに入り、季節のカキスパゲティなどに心を惹かれつつも、「ミラカンS」を注文。ミラカンとはウィンナー+野菜が乗っているのだが、名前の由来は名古屋の人のブログなどを見て欲しい。Sは「スナック」の意味で、少々ボリュームが控えめ。本日は16時から居酒屋に行かねばならないので、押さえているのだ。

もちろん麺は茹でてあるものを使っているため、すぐにミラカンが到着。「茹でてあるものを使っている」というのは悪口ではなく、あんかけスパでは当然のこと。その麺を(恐らく)炒めて、具を乗せて、あんかけ状のソースが添えられているのだ。



食べてみると…、ほう、辛味がそんなにない。以前食べたレトルト物はコショウの辛さがかなり強力な感じだったのだが、「c」はマイルド派に属しているらしい。しばらく食べてから、タバスコをかけてみたが、今考えるとコショウにすべきだったか…。量的にもほどほど(本来の私なら少ないのだが)で、まずは名古屋の味を堪能であった。


名古屋への慌ただしい旅(1)

2009年02月14日 11時00分30秒 | 旅日記
体調不良で取りやめになったり、さんざん勿体をつけた私の旅だが、目的地は何となく名古屋なのであった。多分、旅日記は長文になる予定。時系列に並べると逆順になるので読みにくいと思うのだが、ご勘弁を。

***
前日の強風から、何とか天候も回復し、予定どおりに千歳~名古屋への飛行機は離陸した。約2時間で名古屋到着。初めての中部国際空港(セントレア)だが、見学は帰るときにしよう。名鉄のミュースカイに乗り、一路金山へ。


→おお、ファーストクラスって書いてある。指定券は350円だけど。



全席指定のミュースカイは結構がらがらにすいており快適。最高時速120km/hで途中の駅をほとんど飛ばして金山到着。今日は栄に泊まるので、名古屋駅には明日行く予定なのだ。電車の車室内にはモニターがついていて、進行方向の映像を速度ともに見ることができる。なんだか「電車でGO」のようだ(見たことないけど)。



金山駅で地下鉄の一日パス「ドニチエコきっぷ」を購入し、栄に向かう。このドニチエコきっぷは600円で地下鉄・市バス乗り放題。さらに各種の展覧会を100円割引きにしてくれるというすぐれものなのである。札幌市交通局ももう少し何とかしてくれないものだろうか。



なお、写真では大変分かりにくいが、名古屋のエスカレーターは左に立ち止まり、右側を空けておく東日本スタイルであった。