hiyamizu's blog

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『私だけのふるさと 作家たちの原風景』を読む

2013年11月04日 | 読書2

編:毎日新聞夕刊編集部、画:須飼秀和『私だけのふるさと 作家たちの原風景』(2013年3月岩波書店発行)を読んだ。

多彩な顔ぶれの作家四〇名が、自らの故郷への想いや、幼少時代のエピソード、その土地が書き手としての自分に与えた影響などを語った回想集。故郷を描く言葉は、消えることのない風景の鮮明な活写であると同時に、彼方に漂う儚い幻想のようでもある。須飼秀和によるカラー挿画が、回想の余韻を深める。


初出:2008年4月から2012年5月にかけて毎日新聞夕刊に掲載された「帰りたい 私だけのふるさと」。
全205の中から、岩波書店ゆかりの人や、新鮮な顔ぶれを選び、さらに幅広い年齢層で、ふるさとが全国各地に散らばるよう40をピックアップ。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

私に馴染みのある場所がほとんどなく、今一つ乗り切れない。ランダムに選べば、東京が多くなるだろうに、道尾さんたった一人、横浜が角田、柳の二人だけ。田舎が多いので、私自身の懐かしさとはすれ違う。

室生犀星は「ふるさとは遠きにありて思うもの そして悲しくうたふもの」と詠った。何人かの人も、もうあの子供時代には戻れないので、実際に故郷へ帰るよりも、ただ思っている方が良いと書いている。狭い町、村だけが世界のすべてだった、あの子供時代を。

須飼秀和さんの挿絵が、静かだが抒情がただよい、作家の回想を深めている。



目次
穂村弘(北海道札幌市)/馳星周(北海道浦河町)/室井佑月(青森県八戸市)/佐高信(山形県酒田市)/西木正明(秋田県西木村(現・仙北市))/古川日出男(福島県郡山市)/阿刀田高(新潟県長岡市)/井波律子(富山県高岡市)/本谷有希子(石川県松任市(現・白山市))/薄井ゆうじ(茨城県土浦市/道尾秀介(東京都北区)/海堂尊(千葉県千葉市)/角田光代(神奈川県横浜市)/柳美里(神奈川県横浜市)/夢枕獏(神奈川県小田原市)/林真理子(山梨県山梨市)/梓林太郎(長野県上郷村(現・飯田市))/池井戸潤(岐阜県八百津町)/堀江敏幸(岐阜県多治見市)/中村文則(愛知県東海市)/宮沢章夫(静岡県掛川市)/黒川創(京都府京都市)/池内紀(兵庫県姫路市)/辻原登(和歌山県印南町)/岩井志麻子(岡山県和気町)/田渕久美子(島根県益田市)/津原泰水(広島県広島市)/船戸与一(山口県下関市)/瀬戸内寂聴(徳島県徳島市)/鴻上尚史(愛媛県新居浜市)/山本一力(高知県高知市)/有川浩(高知県高知市)/北方謙三(佐賀県唐津市佐志)/安部龍太郎(福岡県黒木町(現・八女市))/内田麟太郎(福岡県大牟田市)/吉田修一(長崎県長崎市)/小山薫堂(熊本県天草市)/河野裕子(熊本県御船町)/楊逸(中国・ハルビン市)/西加奈子(エジプト・カイロ市)



須飼秀和(すがい・ひでかず)
1977年8月、兵庫県明石市生まれ。画家。2004年3月、京都造形芸術大学芸術学部美術・工芸学科洋画コース卒業

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