大げさに騒いだのに、たいしたことありませんでした。筋膜が炎症しコブができる結節性筋膜炎という珍しいが、腫瘍ではないものでした。抜糸は25日で、翌日サンフランシスコへ発ち、1日には帰国という日程ですが、問題ないでしょう。
三浦しをん著「まほろ駅前番外地」2009年10月、文藝春秋発行、を読んだ。
宣伝文句はこうだ。
直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』の続編で、我が子を失い、夫婦の絆を失った多田と、少年時代に謎の闇を抱える行天(ぎょうてん)は、便利屋稼業でさまざまなへんてこりんな依頼をなんとかこなすうちに、自分たちの厳しい過去が顔を出す。
Walkerplusのエンタメに本書に関する三浦さんへのインタビュー記事が載っている。
「作品の舞台となる“まほろ市”とは、実は作者が暮らす町田市がモデル。」とは愛読者の常識だが、三浦さんはこう語る。
に、行天の抱える問題が解決するまで続けたいですね」。
(是非お願いしたい)
歳を経た岡夫人は夫婦について思う。
諦めと惰性と使命感とほんの少しのあたたかさ。・・・
(一度も結婚したことない(失礼)三浦さんにどうして長年連れ添った夫婦のことがわかるのだろう)
初出:別冊文藝春秋274~280号
私の評価としては、★★★★☆(四つ星:お勧め)
多田と行天もそうだが、出てくる人物のキャラが立っていて面白い。昔は原節子ばりだと主張する曾根田のばあちゃんの昔話、バスの間引き運転の証拠探しを依頼する頑固な岡老人、強面のヤクザなのに20歳という星、多田が惚れてしまった外食チェーン女社長など多士多彩な人々が加わり、面白くないわけがない。前作なしでも楽しめるが、前作を読んでいれば、おなじみの仲間たちに新メンバーが加わり、さらにバラエティを増して、苦笑とぬくもりが織り込まれた話に引き込まれていく。
前作同様、行天の変わり者ぶりと、人のよい多田の持て余しぶりが面白いが、傍若無人で醒めた彼が、突然キレて暴れるシーンがあり、秘めた過去を推測し、このままでいて欲しいのだが、なんとかもう少し、ちょっとだけはまともになって欲しくもなった。