hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

酒井順子『ほのエロ記』を読む

2013年10月22日 | 読書2

酒井順子著『ほのエロ記』(2008年5月角川書店発行)を読んだ。

エッセイストの酒井順子さんが、春のエロ(鶴光、春画、チアガール、遊郭、アンミラ、グラビア)、夏のエロ(女性アスリート、性の祭典、タイのオカマショーなど)、秋(ポルノ映画館、ストリップ、エロ小説)、冬(混浴、エアセックス、スポーツ新聞、SM)など、ほのかにエロを感じさせる25の現場に潜入し、日本人男性が感じるエロの本質を考える。

鶴光の「オールナイトニッポン」
布団を被ってこっそり聴いた胸のときめき、甘酸っぱい記憶。(世代が違うので私には記憶なし)

春画
北斎の絵の、蛸との絡み、ぬるぬるとした感触や吸盤の吸い付きっぷりに感じ入ってしまい、現実にはあり得ないエロティックさを提示する春画の役割に思いを致す。春画の女性達は無表情なのに、詞書には「あれまたよくなりいす エゝいつそどふも あれまたいきいすフウフウ」だのとあり、足の指はしっかり折り曲げられている。

グラビア
アメリカの雑誌の「カモ~ン」と腰を突き出すような写真は、日本男子を萎えさせ、「やられちゃう寸前」もしくは「やられちゃった後」みたいな顔でないと日本男子は受けつけない。

ポルノ映画館
女二人でポルノ映画館に行くのに適した服装を真剣に考えてみた酒井さん(そんなものあるわきゃない!)。「絶倫69歳 和服新妻の初夜」といったタイトルがあって、今では、ネットは苦手でビデオを借りにくい老人が最大の顧客らしい。(それにしても、ポルノ映画のタイトルには笑わされる)

エロ小説
様々なエロメディアがある現在でも、勝手に妄想を膨らませることができるエロ小説はむっつりスケベメンタリティーを持つ人に相変わらず人気がある。

初出:「本の旅人」2005年11月号~2007年10月号
2011年5月に角川文庫化



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

簡単に面白く読み流せたが、まさか四つ星にはできないでしょう。当方にもまだ見栄は残っています。

結構エロ度が高い記述もあるが、元お嬢様(?)の位置からはみ出さず、しかも冷静な大人の視点で分析している。女性からみた色気づいた男子の馬鹿さ加減などもあって、いかにも酒井さんらしいエッセイだ。
ビキニ水着を着た女性の写真を指で隠して、「こうすると何にも着ていないようにみえね?」などと言っている男子の馬鹿さ加減に呆れたという。確かに、言われてみればその通りです、ハイ。



酒井順子の略歴と既読本リスト


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