hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

長嶋有『ジャージの二人』を読む

2011年12月14日 | 読書2
長嶋有著『ジャージの二人』2003年12月集英社発行、を読んだ。

あまり売れないグラビアカメラマンの父親は毎年夏に北軽井沢の山荘に行く。無職の僕は小説も書けず、妻は他の男に夢中という現実を逃れ、5年ぶりに父に付き合い山荘へ行く。山荘は、五右衛門風呂や、汲み取り式トイレと、古く冴えない。そこでの生活はカビで緑色の畳を拭き、カビ臭い布団を干し、薪を割るという地味で、アンチ・スローライフなものだ。
僕は、東京に残った妻が気になってしかたがない。父親も3度目の結婚が危機らしい。
翌年の山荘行きの「ジャージの三人」との2編を収録。

初出:「ジャージの二人」「すばる」2003年3月、「ジャージの三人」11月



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

常に気だるく、誰も、何事にもヤル気がなく、ゆるーい話が続く。妻が公然と本気をしている点を除けば、日常生活そのもので、ユーモアに多少救われるが、読んでいてもだるく、飽きが来る。映画化されているが、どんな映画になったのだろう?

商品名がやたらでてくる。ミロ、コアラのマーチ、フリスクなどが日常感、実在感を醸しだす。



長嶋有(ながしま・ゆう)
1972年埼玉県草加市生れ。北海道育ち。東洋大学第2文学部国文学科卒業。
シャチハタ勤務後、
2001年「サイドカーに犬」で文学界新人賞受賞、芥川賞候補
2002年「猛スピードで母は」で芥川賞受賞
2007年『夕子ちゃんの近道』で大江健三郎賞受賞
その他、本書『ジャージの二人』、エッセイ安全な妄想』など
ネット・コラムニスト「ブルボン小林」としても活動


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