hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

秋はどこへ行った  

2023年11月15日 | 日記

 

今年は夏が長引いていて、スカッとした秋晴れの日が少なかった。秋は時折チラッと顔を覗かせただけで、夏かと思わせる強い日ざしが繰り返し訪れ、かと思うと、慣れない体には、真冬じゃないのかと思わせる寒さが突然襲ってきた。秋らしい天気が続かないうちに冬が来そうだ。

散歩中にあの強い香りにキョロキョロして金木犀を探すことも例年より短く、花があってももはや香りがしない日々がすぐ訪れてきた。畑の隅にいつものヒガンバナは見たのだが、例年民家の庭に見かけるコスモス、ホトトギスを見かけることは少なかった。

 

日本は熱帯性気候に近づいているように思える。従来、くっきりした四季に合わせた生活が刻まれてきた日本で、四季がはっきりしないのでは俳句も作り難いだろう。

 

 

昔は東京でも真冬には時に耳が痛くなるほどの寒さが訪れ、朝の庭には霜柱が立ち、下駄でのっしのっし、ザクザクと踏みしめて遊んだものだった。薄いおせんべいのような表土をはがして霜柱を取り出し、氷の柱を眺め、自然のなす技に不思議を感じた。おそらくこの冬、東京では耳が痛いほどのしばれるような日は少ないのではないだろうか。

 

従来、春は桜、ひな祭り、入学式など希望の季節。夏は、夏休み、海水浴など若者の季節。そして、ギラギラ夕陽の残暑が次第にやわらぎ、秋が訪れた。

空高くさわやかな秋空のもと、果物は実り、花は静かに揺れ、赤や黄色の紅葉が彩り、運動会では子どもたちの声が響いた。涼し気な虫の声を聴きながら秋の夜に本を読んだものだった。

 

華やかで躍るような希望に満ちた春も好きだが、卒寿となった私は冬に向かうしっとりとした秋がことに好きだ。そんな秋は、年々どんどん遠ざかって行ってしまうのだろうか。

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