hiyamizu's blog

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天羽健介・増田雅史『NFTの教科書』を読む

2022年04月27日 | 読書2

 

天羽健介・増田雅史編著『NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計までデジタルデータが資産になる未来』(2021年10月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

 

以下、厳密な記述は容易でないので、雰囲気だけでも感じ取れるようにと、おおよその説明になっています。

 

 

2021年以降、NFT(Non-Fungible Token 非代替性トークン)が話題になっている。
(Fungible:代替・交換可能な)。

これまでのデジタルデータはコピーや改ざんが可能であった。しかし、ブロックチェーン技術を使うことで、デジタルデータでありながら、固有で唯一無二の原データ(世界に一つのデジタル資産)であることが容易に証明できるようになり、取引きが可能になった。

(2021年3月オークションハウスChristie‘sで、デジタルアーティストBeepleの作品「Everydays-The First 5000 Days0」のNFTが約6900万米ドル(75億円)で落札され話題になった。)

 

本書は、ゲーム、スポーツ、アート、音楽などの最前線にいる約20名が、NFTの可能性・未来を語り、法律・会計・税務上の取扱いなどの制度面を解説する。ただし、技術面の解説はないし、まだまだ技術や制度が未完成で課題があることにもほとんど触れていない。

 

 

デジタル資産はブロックチェーン技術を使うことにより、国などの中央集権的管理でなく、誰でも参加できるオープンな分散型相互管理が可能だ。

その上、NFTは、仮想通貨と違って、ブロックチェーンの中に個別の識別サイン(唯一無二の固有のデータ)が記録されていて、そのデジタル資産が固有のもので、入れ替え不可能となっている。

 

30頁以降、本書の大部分はNFTのビジネス応用(コレクティブル(収集)、スポーツ、アート、ゲーム、メタバースなど)の解説となる。

 

 

私の評価としては、★★☆☆☆(二つ星:読むの?  最大は五つ星)

 

本書は、「NFTの教科書」と名付けられているが、NFT自体の解説はほぼ0で、現在進行中のニュース的な話題を取り上げて紹介するトピック集に過ぎない。

 

内容も、具体的説明ではなく、例を挙げた抽象的な説明に終始し、具体的に理解しがたい。特に技術的な解説に乏しい。

 

天羽健介(あまは・けんすけ)

大学卒業後、商社を経て2007年株式会社リクルート入社。2018年コインチェック株式会社入社。主に新規事業開発や暗号資産の上場関連業務、業界団体などとの渉外を担当する部門の責任者を務める。2020年5月より執行役員に就任。2021年2月コインチェックテクノロジーズ株式会社の代表取締役に就任。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会長。

 

増田雅史(ますだ・まさふみ)

弁護士・ニューヨーク州弁護士(森・濱田松本法律事務所)。スタンフォード大学ロースクール卒。理系から転じて弁護士となり、IT・デジタル関連のあらゆる法的問題を一貫して手掛ける。経済産業省メディア・コンテンツ課での勤務経験、金融庁におけるブロックチェーン関連法制の立案経験をもとに、コンテンツ分野・ブロックチェーン分野の双方に通じる。ブロックチェーン推進協会(BCCC)アドバイザー、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会 法律顧問。

 

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