宮部みゆき著『パーフェクト・ブルー』(創元推理文庫 2019年11月15日新装新版、東京創元社発行)を読んだ。
裏表紙にはこうある。
元警察犬のマサは、蓮見家の一員となり、長女で探偵事務所調査員・加代ちゃんのお供役の用心犬を務めている。ある晩、高校野球界のスーパースター・諸岡克彦が殺害された。その遺体を発見した加代ちゃん、克彦の弟である進也、そしてマサは事件の真相を追い始めるが……。幅広いジャンルで活躍し、わが国の文壇を代表する作家の一人である宮部みゆきの記念すべき長編デビュー作。
巻末の宮部みゆきの著者リストがあり、最初の1が本作で、最後が71!。
マサ:老ジャーマン・シェパード、元警察犬
蓮見加代子:探偵事務所調査員。進也の捜索を依頼されたことから克彦の殺人事件真相解明に乗り出す。
蓮見浩一郎:探偵事務所所長。加代子、糸子の父親。
諸岡克彦:高校野球界のスーパースター、恐喝事件から殺害される。
諸岡進也:克彦の弟。家出常習者。諸岡三郎は克彦、進也の父親で、母(妻)は久子。
山瀬浩:克彦の元チームメート
椎名:スナック「ラ・シーナ」のマスター
木原和夫:大同製薬総務部課長補佐。交通事故で亡くなった妻は由美子。5歳の娘は美穂。
幸田俊朗:大同製薬専務取締役。同族会社の社長の叔父だが、ライバルに実績ある網川取締役がいる。
植田涼子:専務の代理人
宗田淳一(そうだ)を名乗る強請り屋:30代、長髪、右眉毛の下に傷跡。
結城雅之:大同製薬のグランドの管理人
「ナンバー・エイト」:謎の新薬の仮称。目に染みるようなきれいなブルー。
本書は1989年2月東京創元推理文庫の新装新版。なお、2008年4月新潮社より単行本 (宮部みゆきアーリーコレクション) が刊行
私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)
謎も、登場人物のキャラクターも、環境描写も最後の一押しが足りない。後の宮部みゆきを知っているからだろうが、若書きに思えてしまう。
30年前の作品であっても、最後の謎解きには多少の無理やり感が残る。進也と加代子、糸子との軽妙なやりとりは面白いのだが、後の宮部みゆきとどうしても比べてしまい、どうしても……。