hiyamizu's blog

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香山リカ『皇室女子』を読む

2019年06月10日 | 読書2

 

香山リカ著『皇室女子 “鏡”としてのロイヤル・ファミリー』(2019年2月8日秀和システム発行)を読んだ

 表紙裏にはこうある。

1.「努力ではどうにもならないことがある」と気づけない。
2.やっぱり「婚家より実家が頼り」に思える。
3.「私事より義務優先」を次の世代にも求めてしまう。
4.「子どもはまだ?」がタブーでないなんて。
5.自分の「痩せすぎ」を自覚できない。
6.「ふつうの生活」が一番むずかしい。
7.「子どもが自分の思い通りにならない」ことに愕然とする。

……etc.

皇室のやんごとなき女性たちの苦悩も、

私たち、同じニッポン女性の苦しみなのだ!

以上の1.と2.は雅子さま、3.は美智子さま、4.は現上皇、5.は愛子さま、6.と7.は雅子さま、かな?

 

雅子さまは、1999年頃、突然飛び出してきた人のフラッシュにさらされ、フラッシュを使った撮影に恐怖心を抱くようになった。

雅子さまは「努力ならいくらでもできる」が、「努力ではどうにもならないことにはどうやって立ち向かえばよいかわからない」というタイプなのだと思う。

 

1993年、「週刊文春」が「昭和天皇が愛した皇居自然林が丸坊主」と美智子妃を非難。美智子さまは「長年、言いたくても言えないことがあった」という状況から、「心因性失声」の症状が現れた。

 

レジリエンスとは、「厳しい状況でもネガティブな面だけではなくポジティブな面を見出すことができる」性質で、その人のもともとの“心の強さ、しなやかさ、復元力”が、逆境に立たされたとこの“打たれ強さ”に関係している。美智子さまにはレジリエンスがあり、雅子さまにはない。

 

1999年、雅子さまご懐妊をことこまかに朝日新聞が報じた。流産に終わったのだが、宮内庁内部でもごく限られた人間しか知らないことが朝日にスクープされ、雅子さまは周囲への不信感が募り、心を閉じるようになった。

 

メディアでも称賛されていた紀子さまが女官たちに厳しいなどとバッシングされるようになっていった。また、眞子さま、佳子さまの皇族らしくない行為も悩みの種となり、小室圭さんの件で完全に逆風になった。雅子さま、愛子さまが元気になるにつれ、立場は逆転した。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

週刊誌の新聞広告を見るだけの私も、皇室情報・スキャンダルを「そうそうそんなこともあった」と復習した。無責任なメディアのバッシング対象は、美智子さまから雅子さまへ、そして紀子さまへ移って行き、それに合わせた形のそれぞれの内部情報も都合よくリークされている。

外野からときどきチラチラみると面白いのだが、反論できない皇室女子はたまったものではないだろう。

 

皇室情報の扱いは公平、正確で、要領よく要約されているので、解り易い。内容は、精神科医としての見解はほとんどなく、メディア情報の要約にとどまっている。しかし、医師の見解など誰も欲していないので、これで良し。

そもそも「皇室女子の動向から一般女子が学ぶ」ことなど、なぜ必要なのだろう。身近にいくらでも例がごろごろしているのに。

 

 

目次

プロローグ ―― 雅子さまがいよいよ皇后になる日
第1の鏡 「女子も実力勝負」の時代に踊らされ
第2の鏡 婚家と実家のはざまで
第3の鏡 「夢見る頃」を過ぎてぶつかる壁
第4の鏡 「子どもはまだか」がタブーでないなんて
第5の鏡 育児にのめり込んでみたものの
第6の鏡 母の〝うつ″に子どもの〝いじめ″が重なって
第7の鏡 ただ〝ふつうに″生きたいだけなのに
第8の鏡 「親の心 子知らず」とは言うけれど
エピローグ ーー 日本女性の写し鏡としての〝皇室女子″

 

 

香山リカの略歴と既読本リスト

 

コメント
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