hiyamizu's blog

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黒川博行『雨に殺せば』を読む

2018年12月25日 | 読書2

 

黒川博行著『雨に殺せば』(角川文庫 く26-9、2018年4月25日KADOKAWA発行)を読んだ。

 

裏表紙にはこうある。

大阪府警捜査一課の黒木と亀田、通称“黒マメ”コンビのもとに事件の報せが舞い込んだ。現金輸送車襲撃事件について事情聴取した銀行員が、飛び降り自殺したという。銀行員2名が射殺され約1億1千万円が奪われた襲撃事件と、死亡した銀行員の関係は? ふたりはやがて真相に近づいていくが、新たな犠牲者が出てしまい――。大阪弁での軽妙なやりとりと、重厚なハードボイルドの融合。直木賞作家が紡ぐ、傑作警察ミステリ。

 

阪神高速湾岸線の港大橋の上で、三協銀行築港支店の現金輸送車が襲われ、1億970万円が強奪され、銀行員二人が射殺された。


捜査の主力は、大阪府警捜査一課の<黒マメコンビ〉。
黒木巡査部長は、30歳半ばで独身男。とくに活躍もなく、相棒についていくだけ。

マメちゃんの亀田は、30歳手前で既婚者。童顔、色黒で背が低く、賭け事と酒をこよなく愛す。

二人の関西弁のアホな会話がさく裂する。

二人の事情聴取を受けた行員・川添が公団住宅11階の自宅のベランダから飛び降りて死亡。捜査を進めると、浮かんで来たのが、「ミムロ」と名乗る謎の人物。一方、川添担当の貸付業務を調べていた二課・岡崎の協力で、大手の「碧水画廊」と街金の「桜木商事」という会社が浮かび上がる。川添は「拘束預金」=「両建預金」と、さらに悪質な「浮き貸し」という不正融資にかかわっていたのだ。

さらに、捜査線上に浮び上った容疑者の死体が発見され、事件は複雑さを増していく…。

 

本書は2003年11月創元推理文庫より刊行。

 

 

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)
1949年愛媛県今治市生まれ、大阪育ち。京都市立芸術大学卒。高校の美術教諭。

1984年『二度のお別れ』が第1回サントリーミステリー大賞佳作に入選してデビュー

1986年『キャッツアイころがった』で同賞大賞を受賞。

1987年作家専業に。

1996年「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞を受賞

2014年『破門』で、6回目の候補、18年経過して、第151回直木賞受賞。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

怪しい犯人が次々と変わっていく展開はなかなかオモロイ。

 

黒マメコンビの関西弁での会話が軽やかで楽しい。マメちゃんは、普段は冗談ばかりでも推理に集中するときは一気に集中する。しかし、黒木は単にボーッとしていて、話を進めるワトソン役としても不十分。

 

銀行業務での「浮き貸し」「拘束預金」などの丁寧な説明があるが、個人的にまったく興味がなく、煩わしいだけ。

 

 

服部:府警本部捜査一課係長。通称、(揚げ足取りの)トリさん。部下は黒マメと沢居。

宮元:府警本部捜査一課警部。班長。頭頂部が光るのでバテレンさん。

岡崎:捜査二課(知能・経済犯担当)部長刑事

村山:シェ・モアのママ。未婚で美人。元画学生でパリ帰り。

 

朝野:三協銀行築港支店貸付課長

川添: 貸付課員

 

水坂:碧水画廊オーナー。立志伝中の人物。

桜木:サラ金の桜木商事経営者。

佐藤治:パチプロ。赤毛のチリチリパーマ。

 

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