hiyamizu's blog

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スティーヴン・キング『スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編』を読む

2013年10月01日 | 読書2
スティーヴン・キング著、山田順子訳『スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季 秋冬編』(新潮文庫 キ-3-5、1987年3月発行)を読んだ。

「恐怖の四季」(原書「DIFFERENT SEASONS」)の中編4作のうち「スタンド・バイ・ミー」と「マンハッタン奇譚クラブ」の2作を秋冬編とした。春夏編は、「刑務所のリタヘイワース」と「ゴールデンボーイ」。

「スタンド・バイ・ミー」
森の奥に子供の死体があるとの噂を聞いた12歳の4人は死体探しの旅に出た。途中、猛犬に追いかけられたり、鉄橋で汽車に跳ね飛ばされそうになったり、沼でヒルに吸い付かれたり、2日間の旅を続ける。
それぞれが悲惨な家庭を抱える4人の少年の友情と冒険を、作家になった主人公が描く。ホラー小説で知られるスティーヴン・キングの半自伝的作品。
映画とその主題歌(リバイバル)がヒットした。

「マンハッタンの奇譚クラブ」
上司の誘いで怪しさと古めかしい雰囲気の会員制社交クラブに連れていかれたデイビッドは疑いを持ちつつ居心地の良さにのめり込んでいく。クラブは、ニューヨーク東35ストリート、成り立ちは不明、会費も無料。
貴重な本が並ぶ書庫、巨大な暖炉、樫の寄せ木張りの床、象牙と黒檀を刻んだチェス。そして会員たちが語る風変わりな体験談。
半分以上を占めるのは、老医師が語る、若く凛とした妊婦の奇怪だが心を打つ物語だ。しかし、延々と出産の細かい話が続く。



私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

映画「スタンド・バイ・ミー」は私のもっとも好きな映画の一つだが、小説は余談(?)も多く、饒舌すぎて映画ほど少年のロマンや、大人になってから子供時代を思い出すという哀愁がストレートに響いてこない。

ひと夏の冒険の中で、4人が将来に向けた差異を意識し始め、こののち、それぞれの道を歩み始める。
4人とも複雑な家庭事情をもち、階級差から異なる将来を予見しながら、この時期だけは、屈託なく、区別なく遊んでいる。この冒険が終わると、必然的に子供時代とは異なる仲間と過ごすことになり、かっての仲間は想い出となる。



スティーヴン・キング(Stephen King)
1947年メイン州生れ。貧しい少年時代から恐怖小説を好む。高校教師、ボイラーマンといった職業のかたわら執筆を続け、1974年に『キャリー』でデビュー。好評を博し、以後『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを生み、“モダンホラーの帝王”と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』『ダーク・タワー』シリーズなどがある。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

山田順子
1948年福岡市生まれ。立教大学社会学部卒。
訳書『デスぺレーション』『レギュレイターズ』など多数。



テディは聴力、視力が弱いのに、滅茶をして、軍隊に入ることを熱望している。父親はノルマンディー上陸作戦に参加し、神経を病んで酒浸りで、テディを虐待し、耳を聞こえなくしてしまった。それでもテディ父親を尊敬し、父親を悪くいうやつには誰かれなく向かっていく。

バーンはのろまで、怖がり屋。兄のビリーはエースを頭とする不良仲間に入っていてバーンをいじめている。

クリスは、頭は良いのだが、飲んだくれの父親に怪我させられてたびたび学校を休んだ。兄たちは落ちこぼれで刑務所に入ったり、不良仲間に入ったりしている。

主人公のゴーディは、勉強はできるのだが、父母からまったくかまってもらえない。期待されていた兄デニスが21歳のとき事故で死んでしまい、両親は今でもこれを受け入れられないからだ。

クリスはゴーディにいう。「おまえはカレッジ・コース。おれたち3人は職業訓練コースで、他の低能たちと・・・。おまえは新しい仲間たちにたくさん出会えるよ。頭のいいやつらに。そんなふうになってんのさ。ゴーディ。そんな仕組みになってんのさ。」「たくさんの腰抜けたちと出会う、って言いたかったんだろ」わたしは言った。


コメント
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