武蔵野市立吉祥寺美術館で9月27日まで開催されている上村淳之(うえむらあつし)展―唳禽(れいきん)を描く―を観た。
上村淳之は、1933年生れ。1959年京都市立美術大学専攻科終了。現代日本の代表的花鳥画家。上村家は、高名な日本画家、祖母・上村松園、父・上村松篁と三代にわたる日本画家一家。
奈良市と京都府の県境あたりに約1万坪の敷地にアトリエ「唳禽荘」をかまえ、263種、1,600羽の鳥類を飼育しながら鳥たちを描いている。
唳禽荘とは、松園が「端鳥の鳴く家」の意味で名づけた。唳(れい)は、鶴や雁、端鳥(丹頂?)の鳴き声のこととパンフレットにある。
26点の作品(うち2点は素描)が並び、いずれもほとんど無地に近い背景の中心に鳥を描いたあっさりした作品だ。強く訴えるものはなく、端正すぎて、くつろいだ感じもしなかった。
やはり、3代の中では上村松園が一番だと思う。上村松園の「序の舞」には、静かなうちに凛として気品あり、女性の情念が感じられる私の好きな作品の一つだ。
ロビーには、国立科学博物館の鳥類の剥製が10並んでいた。針金のように突き出たくちばしが、下向きにそったものとわずかに上向きのものがあった。
帰りがけに、第一ホテルの裏通りにあるフランス料理店ラトリエ・デュ・グーでランチを食べた。フランス修行帰りのシェフも、係りの人も全員女性だ。人気の店だが狭いので、予約なしに行って今まで3回断られていた。雨の土曜日で12時前のせいか、カウンター席が空いていた。注文はランチコース1600円。
前菜orスープで、スープを選択。色々入っていて、複雑で美味。パンはとくにおいしいというほどではなかった。
メインは肉か魚で、私はポークピカタ。奥様はイシモチのムニエル。
柔らかすぎずにしっかりした肉に衣がマッチ。付け合せのナスやパプリカも美味。
イシモチもしっかり料理するとこんなに美味しいのかとご満足の様子。
このほか、アイスクリームと紅茶をいだだく。若い人にはものたりない量かもしれないが、我々にはちょうど良い。
カウンターからシェフの動作がよく見えた。下準備がしっかりできていて、一人前の材料を乗せたアルミの皿が並んでいる。しかし、一人で、平行作業を手際のよく進め、数人分の料理を次々仕上げる様子に脱帽。キッチンを自分の好きなように配置し、一人で扱える範囲に客を絞っているように感じた。
武蔵野市吉祥寺本町2-8-9ルミナス吉祥寺1F-B
営業時間11:30-15:0017:30-23:00(LO22:00)
定休日火曜日