hiyamizu's blog

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リチャード・プレストン「世界一高い木」を読む

2009年01月14日 | 読書2
リチャード・プレストン著、渡会圭子訳「世界一高い木」2008年7月、日経BP社発行を読んだ。

米カリフォルニア州のセコイアの森林で世界一高い115.5メートルの木を探し当てた森林学研究者とクライマー2人を中心とした森林探検家たちのネイチャー・ノンフィクション。

深い森林の中で困難を物ともせずに、とくに高い巨大なセコイアを見つけては、頂上に登り、そして高さを測定し、ついに世界一高い木を見つけ、征服するノンフィクション探検ストーリーがメイン。
しかし、個性的な木登りオタク達の生きざま、森林の樹冠(=林冠:太陽光を直接受ける木々の先端部分)のコケなどの植物学の話などをからめた、392ページの大部。

100メートル以上ある木々の頂上部を調査するためには、さまざまな工夫を凝らして木に登る。著者自身、この危険なツリー・クライミングを経験しているので、その解説は詳しく、具体的だ。
100メートル以上あるセコイアは地上75mぐらいまでは枝がない。木を傷つけずにどう登るのか、いろいろな人がさまざまな道具とテクニックに工夫を重ねてより危険性が少ない方法を見つけるまでが語られる。

本の表紙の写真を良く見ると、真ん中の木に取り付いている二人が見える。木の高さが実感できる。



森は500年に一度くらい大火事があるが、焦げた部分を修復し生長を続けるなどセコイアの生態解説も私には詳細すぎるくらいだった。

さらに、巨大な木々に取り付かれ多くのものを投げ打ってしまう研究者、木登りオタクに密着インタビューしているので、その人間像も面白い。


題名の「世界一高い木」より、原題「THE WILD TREES ?A Story of Passion and Daring」(=未開の木々 -情熱と大胆の物語)の方が良く内容をあらわしている。



著者のリチャード・プレストンは、1954年米国マサチューセッツ州生まれの作家、ジャーナリスト。著書には、エボラ・ウィルスの脅威を描いたノンフィクション、世界的なベストセラー「ホット・ゾーン」や、「コブラの眼」「デーモンズ・アイ」「夢のボート」などがある。

訳者の渡会(わたらい)圭子は、上智大学文学部卒。翻訳家。訳書に「岩石から読み取る地球の自叙伝」「樹木と文明」「大気の海」などがある。



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

不運にも落下して死亡した状況の記述もあり、また身体をひねって手から落下し、下が運よく厚いコケだったことからひどい骨折だけであやうく命をとりとめた場面もある。100mとはいかないが、50mの高さの木に登ったことがある木登り好きな私は、読んでいるだけで、自分が危ないような気になってヒヤヒヤした。
木登り愛好家にはお勧めの本だが、一体どのくらいの人数が・・・。

私の木登りの話は次回。


コメント
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