hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

「あなたに、大切な香りの記憶はありますか?」を読む

2008年12月28日 | 読書2

阿川佐和子,石田衣良,角田光代,熊谷達也,小池真理子,重松清,朱川湊人,高樹のぶ子による短編小説集「あなたに、大切な香りの記憶はありますか?」2008年10月、文藝春秋発行を読んだ。

いずれ劣らぬストーリーテラーである人気作家8人がイメージが沸きやすい「香り」をテーマにした短編で腕を競っている。

キーコーヒー株式会社のWEBサイト「書茶」で2007年9月14日から2008年10月30日にわたり公開された作品を単行本化したもので、ふとした香りが呼び起こすちょっと切なく、懐かしい思いを8人の人気作家がのびのびと楽しげに書いている。



夢の香り(石田衣良):昔、夢の中に出てきた男性の匂いを追い続けている35歳の女性が狂言回しの友達の紹介で男性とついに出会う嬉しい予感のある話。

父とガムと彼女(角田光代)

いちば童子(朱川湊人)

アンタさん(阿川佐和子):自分のガラに合わない男ばかり追いかけていた女性が木の香りが好きな宮大工見習いを好きになり、ハラハラする話

ロックとブルースに還る夜(熊谷達也)

スワン・レイク(小池真理子)

コーヒーもう一杯(重松清):19歳の彼がまもなく卒業の女子大生からコーヒーの淹れ方を教えられる哀しみを予感させる話。

何も起きなかった(高樹のぶ子)



私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

気楽に、スイスイと読める。短編とは、こう書くものというお手本が並んでいる。いずれも、なるほどと思わせるところがワンポイントある。逆に言えば、わざとらしさを感じる人もいるだろう。

私のお気に入りは、石田衣良の夢の香り、阿川佐和子のアンタさん、重松清のコーヒーもう一杯。


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