ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~嘘か真か、下克上~

2012-10-01 | 散華の如く~天下出世の蝶~
私はただの足掛かり。手を伸ばせば容易く、その目に映る足場は美濃。
だからこそ、美濃 斎藤と尾張 織田は手を結んだ。だが、ここまで来て番狂わせが起きた。
この下克上に納得していないのは、戦に出た美濃衆と尾張衆。
特に殿は、
信長「美濃を治めねば、虫が治まらん」
今回の一件で腸が煮えくり返っておいでだった。
帰蝶「義兄様と戦なさるおつもりですか?」
森「…その事ですか、」
ち…ら、と背中越しに私と新吾を見た。
新吾は身動ぎもせず、ただ、可成様の声に耳を傾けていた。
帰蝶「新吾…?」
彼は何の話か、知っているようだった。
森「実質美濃は、長井の手に落ちましてございます」
帰蝶「長井…伯父様の?」
信長「どういう事だ?」
森「あの戦の指揮は長井道利。義龍殿は戦最中、倒れたとか…、」
帰蝶「それは、真にございますか?」
森「さぁ…」
帰蝶「それが、真なら…」
信輝の話…
“義龍軍 長井の伯父は父 道三以下、斎藤家血縁を悉く討ち取り…”
「すべて、伯父の策…だったと?」
我ら美濃斎藤家は、ただの踏台ではないか…。
森「そう考えられます」
帰蝶「父は伯父に討たれた…、父の最期は…どうなったのですか?」
誰もが、黙すその最期を、
可成様は存じておろう?
新吾は聞いたであろう?
新吾「う゛…」体をくの時に、口に手を当て、嘔吐(えず)いた。
帰蝶「し、新吾…?」