ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~女の、嫉妬と同情の狭間で~

2012-10-13 | 散華の如く~天下出世の蝶~
醜い、女の嫉妬。女として、最低…。
美しい生駒と、その慈愛に満ちた母性を前に、
私は、完敗。
生駒「姫様…?」
帰蝶「私の目の届かぬ所で、好きせよ」
生駒「…。真に、ご無礼仕りしました」がっかりか?
頭を垂らし、さっさ…と出て行ったわ。
正室の私に頼めば、ほいほいと殿への目通り叶うとでも思ったか?
当てにならぬ正室だな。
殿の正室は何も出来ぬ、してくれぬ、噂通りの女だった。
そう思えば良い。
この目で見て来た姫の噂は真実であった、と。
正室に冷たくあしらわれた出戻りは、女たちから同情が生まれ、
再び、殿と恋仲となれるであろう。私に遠慮せず、堂々おう瀬すれば…、
しかし、なぜ、殿は生駒に逢うてやらぬ?
“好いてはおられないのですか?”
私と違って、好き合うておるはず…、
政略結婚の、私に遠慮しての事か?
亡き父に、もはや義理立てする事もあるまい。
私に、ややがいるからか?
私との不本意な婚儀…両家が利のため勝手に決めた結婚…破棄すれば良かろうが。
好いた女と再び思い遂げられる絶好の機会ではないか。それを、なぜ、断った?
軍議中と分かっていたが、納得が行かん。
「失礼致します。殿、お話がございます」
信長「あ?」
帰蝶「皆を下げて頂けませぬか?」
信長「後に、せ…」
池田「いえ。今の方がよろしいかと存じます、さ…」
森「?」
真に気の利く家臣じゃ。とっと、と皆を下げてくれた。