ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~天の使いか、魔の申し子か~

2012-10-26 | 散華の如く~天下出世の蝶~
池田「夫婦円満の秘訣を探ろうと、潜んでおりました」
帰蝶「そなたの目には、我ら夫婦が円満に映ったか?」
池田「勿論にございます。理解ある妻君と、姉君を尊敬しております」
帰蝶「ほう…で、我らの会話から、その秘訣が会得出来たと申すか?」
池田「ま…」
帰蝶「ったくッ」殿から頂いた軍旗で、紅に染まった顔を隠して、
「秘訣秘伝など、家々違おうがッ」
恥ずかしい…。森様にまで聞かれてしもうて、
殿まで一緒になって、
森「くく」肩を小さく揺らして笑っていた。キッと睨んで、
帰蝶「忠信部将殿。我が弟の鼻をへし折るくらいは良いが、それ以上は許さぬぞッ」
森「は…(・・;)」
池田「それって、八つ当たりですよね?」
帰蝶「当たるくらいで済めば良かろうがッ」
バンッと襖を閉めたら、向こうから、
信長「まったく、恐ろしい天魔よ、濃」
あっははっと、殿のバカ笑いが聞こえた。その前に、
帰蝶「私を…」
天魔と呼んだ。先ほどは、私を第六天と仰った。
天魔とは…、第六天とは…、一体、何者?その正体が知りたくて、
すすすすうッ、早歩きで広間を離れて、
たッたかたッ、細い渡り廊下を小走り、向かった先は、殿の勉強部屋。
「沢彦様ッ!」
バーン、と戸を開けた。やっぱり、ここに居られた。
沢彦「妊婦が走っては成りませぬ」
帰蝶「すでに安定期を迎えております故、大事有りません」
沢彦「姫君が斯様豪快に襖を開けては、はしたないですぞ」
帰蝶「ご無礼…ややが居ると気忙しく、落ち着きません故」
沢彦「…して、何用にございますかな?」
帰蝶「仏について、知りとうなりました」