ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~Bible~

2012-10-28 | 散華の如く~天下出世の蝶~
沢彦「妙音とは、神の音、仏の声にございます」
徐に、紙と筆を取って、
さらりと、書を認めた。
“ 妙 音 ”
「妙(たえ)…この世のものとは思えぬほどの美しさ、その音色が、妙音にございます」
続けて、
“ 観 音 菩 薩 ”
と認めた。
帰蝶「仏様の御名前?」
沢彦「左様。妙音観音菩薩とは、その昔太子、瞑想中に現れた仏にございます」
帰蝶「聖徳太子…」
沢彦「左様。世のため、人のため、悪政を立て直さんがため、夢殿で涅槃しておりました」
さらさら…と、真っ新な紙を前に、墨絵を描き始めた沢彦様、しかし、
帰蝶「ぷっ」
吹き出してしまった。
沢彦「仏画(漫画)家の道も考えましたが、絵心がなく断念致しました」
帰蝶「ご無礼を、気を悪くなさらないで」
上手下手ではなく、沢彦様の絵がいた奇妙な生物に笑ってしまった。
「愛嬌のある、鳥さんね」
しかし、何処だったか、見た事がある。
確か、斯様なる木像画があったような。
目がクリリンと大きく、可愛らしい少年?少女?その体は鳥?
沢彦「似せて描きましたが、似ておりませぬか?」
帰蝶「私に?」
じ…、その絵を見つめて、
「まぁ…どことなく。でも、体に羽なんて、有り得ないわ」
沢彦「しかし、西洋の神々には、翼がございます」
ペラペラと、ある書物を私に見せてくれた。
帰蝶「これ…異国の、」
“Bible”