ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~義父の墓標、岐阜~

2014-01-21 | 散華の如く~天下出世の蝶~
下剋上乱世、天下道まっしぐら、マムシと恐れられた斎藤道三は、
息子に裏切られ、長良川の畔で、伯父長井道利に、首を獲られて、
娘婿の目の前で、幕を下ろした。その敗れた夢は娘婿に託された。
その後、兄義龍は病死、謀反首謀者の伯父長井道利は追放された。
かつて家臣は織田家に寝返る者、新しい主を求めて彷徨う者様々。
帰蝶「なんとさもしいことか…」
私の美濃は、見る影も無く、
ボロボロ、音と立てて崩れ、
ボロボロ、涙が溢れて流れ、
ボロボロ、私は心が折れた。
そんなボロボロの城は、
信長「早う、取り壊せ」
新しき城に生まれ変わった。
美濃再建と城下町の整備が急がれ、
私の幼き日々の思い出と、兄の影、
戦の爪痕は、きれいに払拭された。
「ここは、美濃にして美濃に非ず。そなたも、もう濃ではない」
殿は、我が父のため、そして、
私のため、新たな国を拓いた。
帰蝶「では、ここは一体どこなのでしょう?私は、何と名乗れば良いのでしょう?」
信長「ここは義父の墓標、そなたはうつけの妻で良かろうが」
帰蝶「まぁなんと立派な御墓…、父も喜びましょう」
信長「周王朝文王が岐山(キサン)にて天下を平定。それに因み、この地を岐阜とする」
帰蝶「ぎふ…」
信長「義父殿も、ここからなら見物出来ようが」
ピシッと、扇で指示された方向は、
帰蝶「琵琶…?」
信長「その先の、京。この乱世、京で終わる」
その誓いの朱印『天下布武』を私に見せた。
帰蝶「殿、あなたはどこまでも…、大うつけにございますね」


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