ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

佐伯氏

2010-07-29 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
汚い荷物と臭い干物が散乱する部室の片隅で老大師に酔わされ潰れたフリをしている部員は「う゛っ」と嗚咽くフリをしてトイレに直行し、トイレで吐くフリして風呂場に向った。
こうして老大師から脱げる策を講じたのだった。
その知能犯かつ法螺吹き担当の弁慶は、念願の泥風呂に入ってゆったり寛いだ。
弁慶「やれやれ…」老大師から解放された…と思いきや、逃げれば追われる立場となる。
さて、部員が一人また一人と減ってしまった部室内で一人取り残されても酒盛りを続ける老大師が、いったいどんな権威のある健胃な酒豪の大師様なのか?と問われたら、かの有名な讃岐出身の紀伊山岳修験部理事長 兼 真言密教連合会会長の「佐伯氏」としか言いようがない。それ以上、筆者 松郷は知らない。その佐伯氏は各有名山岳修験道に入った者、及び、真言密教連合会員やそこらへんの登山愛好家かつ山岳部部員らは、全く逆えないほどの地位と名誉ある高僧だ。佐伯氏の寺には有名武将らがこぞって霊廟を建ててている。そういうド偉い方なので、これからは敬意を表して「佐伯氏」と表記することにした。その佐伯氏はとんでもなく勘が鋭く、逃亡した二名が逃亡の常習犯だとすでに知っていた。噂で。
佐伯「さて…」すくっと立ち上がり、軽やかな足取りで風呂場に向った。
佐伯氏は酒というアルコールを風呂で抜く術(すべ)を体得しているのだが、いくら呑んでも酔わない体質(たち)で意味のない術だった。その他にも数多くの術を体得しているが、それは若い頃の武者修行と荒行の成果だ。中国大陸に渡り、そこの色々な技と術を会得して帰国。その後、国内向けに改良とアレンジを加えオリジナリティ溢れる日本独自の技と術に変換して各地広めた人物である。しかし、一般ことわざでは「書道家」として知られる佐伯氏だ。
佐伯氏は筆を選ばす何でも筆にして墨をつけて書を認めるが、時おり、筆を誤る。誤りを書き直すのが面倒だからと!?誤った文字にピッピッと二本線を引いて訂正の文字を隣に書いて提出していた。そこから偉人もいっぱい文字の誤るんだからNot偉人らはもっといっぱい間違ってもいいんだ!と安心させるようなことわざが生まれた。この佐伯氏が誰だか判明した所で、鹿と一目散に逃亡を図った富樫はほっといて、ほっとけない同僚の弟子 弁慶を追った佐伯氏は風呂場の脱衣室に入った。しかし、全く気付かない弁慶は次にサウナに入り熱くなっていた。するとそこへ、ガラ…と戸が開き、静かにゆっくりヒタ ヒタ ヒタ、ヒタ ヒタ ヒタ…とサウナの弁慶に近づく足音…ピタッと止まって、
佐伯「わっ!!(みぃーつけた♪)」と暑かった弁慶は一気に急速冷凍、カッチンと固まった。心が凍り付いただけだ。実は弁慶…その手の怪談話が、超がつくほど苦手な超怖がりなのだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。