ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

デート、です

2011-05-13 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
継「あぁ。繭玉を紡いでやるから、代わりに、渡せってさ」
弁慶「どういうこった?」
継「知らねっ。まず…」居酒屋のマップ付き名刺を見せて「この居酒屋に行ってくれ。きつね女(メ)が、そこの本店まで案内してくれるってさ」
弁慶「ふぅ…ん」と名刺を受け取り「…薄縁って、うちの親父が義経にやったもんで、源氏代々の兄弟刀で渡せって言われて、そうそう渡せる代物じゃねぇ」
継「知らねっ。俺は、ただの伝言板だ。後は、そっちで対処してくれ」
弁慶「ふぅ…ん」と肩をすくめて、名刺を仕舞った。
忠「与一。今度、その居酒屋に、ランチ行って来い」
与一「居酒屋で…ランチ、ですか?」と、義隆に手を添えて、
継「いいから。能ちゃん連れて、デートして来いって」
与一「残念ですね。しばらくは、予約が入ってます」包丁を引き寄せてやった。
義隆「わぁ、出来たっ♪」
継「あん?」
与一「斯波さんと…」義隆の肩にポンと手を置き「デート、です」
継「へ?お前ら、そういう仲…?」
与一「えぇ。昔から、良いお付き合いさせてもらっています」
富樫「明日…」ます寿司をつまんで「俺らとサブ・ロク夫婦で銀山…」
忠「俺ら夫婦、鱒捕獲と笹取り…」チラッと女たちの方を見て、能ちゃんを探して、
継「れ…?」能ちゃんは?
忠「誰が、護衛すンだ?」と与一の方を向いたら、
チリーン、と鈴の音が鳴って、
与一「!?」
空のお皿を手にした能子「何の話?」と与一の背後からひょっこり顔を出した。
義隆「お子ちゃまには、分からない話だって…」とブスッした顔で答えた。
能子「主役の前で、何話してんの!」眉間にシワを寄せ、与一を「もっ!」と小突いた。
与一「社会勉強です、よっ」とお皿にます寿司を乗せた。
能子「これ、義隆が切り分けたの、上手ねぇ」と、お皿に盛られたます寿司を持ち上げ、キレイな断面を見た。ほんのりピンクのサーモンと白く艶やかな銀シャリのコントラストが淡い紅白を作り「わぁ…」と感嘆の声を上げ「きれい…ね」と言葉と同時に吐息をもらした。


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