ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

見えない明日(未来)

2011-02-01 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
鞍馬「義隆…自分と似てるって思ったか?そうなんだ。あいつも親父の顔、見たことないんだ。その秘密を知ったのはお前よりちょい年上ン時だ。蔵に仕舞ってあった源家系図を見つけちまって、自分が源 氏族だと気付いた。可愛がってくれる清盛が敵だって事もな。それから、あいつ…手に負えないくらい荒れちまって…坊主になんかならねぇって、言い出して…」
能子「打倒平家に燃えて剣術に励んだ…」
鞍馬「あぁ。山に引き篭もって修行してやんの。元祖 ひきこもりくんだ…。それを見た清盛が基本なってねぇから人生厳しさ基礎から教えてやってくれって…頼みにきやがった」
能子「父上が…?それって、危険分子を育てるようなもんじゃ…」
鞍馬「あぁ。危険分子を育てるには、その…かなり複雑な事情があって、な。その当時、藤原の…その例の烏野郎(松殿 基房)と確執が出来た。さらに、伊豆に流された頼朝が旗揚げ、木曽に飛ばされた義仲もそれに呼応し強兵。こぞって打倒平家に名乗りを上げた。ここが平家の踏ん張り所。だが、あいつは病に侵され…」
能子「…(例の感染症)」
鞍馬「戦に出たくても出れねぇ体になっちまった。…で、泰平の世の甘い蜜を一度吸っちまった公家連中と平家に未来はないなって悟ったんじゃねぇ?奥州 藤原秀衡(義経のおじ)に書状を認め、未来(義経)を託した。が…」
能子「兄は奥州を飛び出し、頼朝に従って平家と戦い…平家を滅亡させた」
鞍馬「能子…。これも平家の定めだ。たまたま生まれ出た所が平家、そんでもって、兄貴が源氏だった。誰も生まれ出る場所なんざ、選べねぇ。腹ン中の暗い闇から見える未来(明日)なんて誰にも見えねぇんだ。生まれ出た所勝負…なぁ?占い師さんよ」
葛葉「そうさ。歩む未来を食い止めるも、突っ走るのも本人だ…」と能子を見た。
能子「私は…」
鞍馬「お前は、それでいい。平家と源氏の思いを背負ってるお前だからこそ、感じる幸せがあるだろ。ましてや、同じ境遇の与一と一緒になったんだし、な」
能子「はい」
義隆「…(同じ境遇…?)」
鞍馬「婚儀は?」
能子「…与一の実家には…入れなかった。でも、近くの神社でお義母様に結婚の報告をしたわ。…それで十分でしょ」
弁慶「…(式、挙げてないんだ)」何と言ったら良いのか分からないといった視線だけ移して、


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