ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~ヨーロッパプリンス~

2014-04-04 | 散華の如く~天下出世の蝶~
蘭丸と、私たちの間柄を、
快く思わない家臣の中に、
明智様たちも入っていた。
殿に足蹴にされた時、
蘭丸も、そこにいた。
当然、小姓であるが故…なのだが、
その時の両者心中、思い量られる。
年長が年下に蹴られる様を、
新参若輩が哀れな目で見る。
蘭丸「だ、大事…、ございませんか?」
格下の優しい心と言葉が、
各上、上役には癇に障る。
帰蝶「あ…あぁ、大事無い。少しぼんやりしてしまって…」
実の子を持たぬ私にしてみれば、
子たちの労わりが嬉しいのだが、
明智様にとっては、
“我が光丸を、殿の御傍に…”
鼻に突くであろう。
殿は、可成様が亡くなる以前から、
蘭たちを小姓にすると決めていた。
それに、
いくら明智様の御子息とはいえ、
“私には…出来かねまする”
私は明智様の御意向を、断った。
その嘆願…私には荷が重過ぎた。
彼の唯一の御子息は、
西洋プリンスを思わせる井出達で、
安土城内闊歩すれば、さぞ美しい。
しかし、その美しさは彼の出生に、
疑いの目を向けざるを得ないのだ。


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